リヴァイと赤ん坊と... (ページ17)

今日:7 hit、昨日:6 hit、合計:58,849 hit

１７話ページ17

「とりあえず、明日にでも身体検査をさせてよ。前髪を切るならその髪もほしいんだ。」
ハン〇が急に成長したベイビの体を調べたいと言ってきた。

「わかった。明日昼寝から起きたら連れてくる。」
「ハン〇、バイバイ。」
俺に抱かれてハン〇に手を振るベイビ。

「うん、また明日ね、ベイビ。」
笑顔でハン〇も手を振った。

「あにょね、あにょね...」
覚えたての言葉で一生懸命俺に話しかけてくる。

(...俺はこいつを刃にかけられるのか...。出来るならそんな事はしたくない。巨人にならない方法は見つけられないのか...。)

パシッ！
「こだ、聞きなたい！」
俺の頭を叩いてきた。

「あ、あぁ...何の話だ。」

「だかやね、髪ね、ペトヤにチョッキンしてもやうの！」

「そうだな、後で切ってもらおうな。」

「うんっ！」
満面の笑みで笑うベイビ。

明日から立体機動装置と刃をつけ、いつでも殺せる準備をしながらこの笑顔を見るのかと思うと、逃げ出したい気持ちになった。

「パパ、おやかちゅいた。」
腹を撫でながら空腹を訴えかけてきた。

時計を見ると５時半過ぎ。もう少しで晩飯の時間になる。

「ベイビが...パ...パと遊んでればすぐに晩飯の時間になる。」

「ほんと？」

「あぁ、本当だ。何をして遊びたい？」

1人前に短い腕を組み、考え始めるベイビ。

「あ！おちょらにのぼゆ！」

「空...か。わかった。」

立体機動装置を付けると模型巨人の森に２人で行った。

ベイビは俺と手を繋いで歩き、「おしょら、おしょら♪」とご機嫌だ。

「らっこ～！」
いつもの木の下にくると抱っこをせがむ。

ベイビを抱き上げ「手を離すなよ。」と頭を撫でてからアンカーを木に打ち、ふわっと舞い上がった。

「うわぁ～。おちょら～！」
嬉しそうな声を上げ、足をバタつかせた。

木に降り立つとキョロキョロとしてあちこちを眺める。大きくなる前と同じ動きをした。

「あっちは～、おうち。あっちは～、エデンがあちょぶとこ！」
ロッククライミングの崖を指さして遊ぶ所だと言う。

「そうか、遊ぶとこ...か。」

「うん、ちょうだよぉ。」
自慢げな顔をしてベイビが笑った。教えてあげた...とでも思ってるんだろう。

「...そろそろ晩飯の時間だ。」
しばらく木の上で遊んでいたが、俺がそう言うと「ごあん！」と騒ぎ出す。

「よし、ご...飯食べに行こう。」

「はーい！」
両手を上げて元気な返事をしたベイビ。

木の上から降り、立体機動装置を片付けてから食堂に向かった。