19 ~after~ ページ19
万里side
Aが死んでから、俺はしばらく学校を休んだ。
稽古にはほとんど参加せず、見学だけの日が多かった。
臣が作った料理でさえ、口に入らなくなった。
臣「万里...」
万「ごめん、せっかく作ってくれたのに。今日はこれ以上食えねーわ」
臣「気にするな。少しずつ食べれるようになればいい」
そう言って、臣は辛そうな顔で笑った。
い「万里くん...」
万「ごめん、部屋戻る」
早く一人きりになりたくて談話室を出た。
自室に入ってすぐベッドに横になった。
Aが映ってる写真を眺めて、ため息をつく。
こればかりの日々だ。
俺はスマホに映るAをそっと撫でた。
万「A...」
Aの名前を呼んだ時、喉に違和感がした。
万「けほっ...」
手には、ピンク色の花びらが乗っていた。
万「ああ、確か...」
Aが運ばれた時に医者が言っていた気がする。
“彼女の想い人が花びらに触れると感染する。だから花びらの処理は彼女の想い人以外がするように”
ああ、知らないうちに触れてたのか。
“彼女の花吐き病は、彼女の好きな人が彼女のことを本気で大切に思い、その思いを口に出さないと完治しない、特殊なものだった”
“彼女の花吐き病は完治しなければ死に陥る怖い病気だったから、早く治って良かった”
万「ははっ、口にしてくれるやつは、もう動かなくなっちまった」
俺は死ぬのか。
万「お待たせ、もうすぐそっちにいくから待ってろな、A」
画面の中のAは笑っていた。
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作者名：もんたぎゅー | 作成日時：2018年10月11日 21時
