弱虫6匹 ページ8
2年生になった。
それから私はコンクールでのオーディションでトップを降り、新3年生の長濱先輩がトップに選ばれた。理由は明確、今年の自由曲はトランペットパートのタンギングが難しいと有名な曲だったが、それを長濱先輩はスムーズに演奏しきっていた。他のパートからも先生からも絶賛されていた。彼女は私と同じくソロコンクールに出場していたが、そこでも選定曲はタンギングがえぐい曲だった気がする。私はタンギングの強化をしなくてはと意気込んだ。
2年生でのクラスは8組だった。
ちなみに倫太郎は1組。宮双子のうちの片方、宮治も1組ならしいが、私とあまり関わりがなさそうで本当によかったと思った。
しかし、事態は少しだけおかしなことになった。稲荷崎高校での体育のクラス分けは、2クラス合同で行う所と、3クラス合同で行うところがあった。私は8組なので今年は2、3組と3クラス合同で行うことになったのだが、そこでとある問題があった。
侑「あんたさ、角名ってやつ知らん?」
バレーボール部2年の筆頭とも言える宮侑と、
体育が合同になってしまったのだ。
しかもなぜか彼は私と倫太郎に繋がりがあるのかもと疑っていた。ここはしらを切り通さなければ恐れていた事態が起こると私は冷汗をかきながら否定しまくった。
貴「誰ですかその人。あ、友達からなんとなく聞いたことはあります。バレー部ですよね??」
そう言って真顔で対応し、バスケに戻りたいオーラを全開に出すと、
侑「いや、知らんならええねん。」
おかしなーっと言いたげな表情で返されたから余計に焦った。なぜ彼は倫太郎と私を結びつけたのだろうか。去年彼と同じクラスだった子にでもすこーし聞いてみようかと思っていると、
侑「てか、自分、標準語やねんなあ。」
と言われてしまった。なるほどー!!とめちゃめちゃ焦ったが、あらかじめ人からそこを突っ込まれた時にと考えておいた言い訳をスラスラ述べる。
貴「親が東北の方だから、関西の方言とかわかんないんですよね。まあかといって東北の方に訛ってる訳でもないけども。」
いたって普通の理由だし、これで私と倫太郎に繋がりがある可能性は少しなら消えたはずだ。彼がよっぽどな馬鹿でなければ。倫太郎は東京出身でそこ以外には行ったこともない。だから彼はばりばりの標準語を話している。
彼も少し納得したような表情でバスケへと帰って行った。
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水野 - 更新待ってて良かったです!超面白いです! (2020年7月20日 21時) (レス) id: cdb3fa391f (このIDを非表示/違反報告)
さくやん(プロフ) - ?さん» 申し訳ありません!修正しました! (2020年7月9日 21時) (レス) id: 417db36de3 (このIDを非表示/違反報告)
至ってノーマル - 素敵すぎます!!!!!めっちゃ好きです!!かっこかわいい推しをありがとうございます!!!!応援しております! (2020年7月9日 18時) (レス) id: 5e35942dd3 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - 途中から名前が万智になってます(泣) (2020年7月9日 17時) (レス) id: f4c6db3892 (このIDを非表示/違反報告)
Rui(プロフ) - はじめまして!とても面白いです!更新楽しみにしてます!! (2020年3月28日 21時) (レス) id: 6ad8403b99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくやん | 作成日時:2019年9月13日 23時