今日も風さえ吹きすぎる AfterStory 【文豪ストレイドッグス】

披露宴をあげましょう！　結婚式編 ページ18

「それではこれより、結婚披露宴を始めたいと思います。まずは、新郎新婦の入場です！」


その言葉に、会場がわっと拍手に包まれる
Aはそれを照れくさくも幸せに感じて、隣に立つ中也を見上げた



「なんだ？」

『幸せだなと思って』


すると中也はニカっと笑った

「俺もだ」




披露宴会場に入場すると拍手はより一層大きくなって私は照れながらもほほ笑んだ


高いヒールに躓くことなく、奥に準備されたテーブルまで行き座ると牧師役から司会役に変わった広津さんが喋りだす


「それではまず、我らがポートマフィア首領、森鴎外様よりご祝辞をいただきます。首領、お願いいたします」




首領はすっと立ち上がって壇上へ上がった
そして、まずAと中也に向かって軽く一礼する、Aと中也はそれに礼を返した




「ご紹介に預かりました、森鴎外です、結婚おめでとう、二人とも。幸福な結婚を、心より祝いたい
そしてこのような素敵な結婚式に呼んでいただき本当にありがとう

と言っても結婚式を挙げさせたのは私なのだがね」

会場からは少し笑いが起きた




「なぜ、こんなにも若い二人にこんなにも早く式を挙げさせたかというとね

私たちは夜の住人だ、結婚式でこのような話をするのもいかがかと思うが、明日、必ずしも生きているとは限らない

一般人より命を無くす可能性が高い、将来二人に、あの時、結婚式を挙げていればよかったなどと後悔してほしくなかったから無理やり挙げさせたんた」



真面目な顔をしてしゃべっている首領

結婚式を挙げようと中也に言われた時、首領と中也が話し込んでいた内容はそれか




「今日、この日を迎えるまでに、二人には様々なことがあった、しかしその多様な出来事の中で、今日が一番喜ばしくめでたい日だ、私はこの日が迎えられたことを、本当に嬉しく思う」






その後、首領からのご祝辞は手短に済まされ、その場の雰囲気を和やかにしたままに終わった

お祝いの電報などが読まれ、ついに私と中也にマイクが回ってきた






『皆さん、本当に急な結婚式に来ていただき誠にありがとうございます、とても幸せです、この日を迎えることができた歓びでいっぱいです、中也とは仕事でも私生活でもしっかりと支え合っていきたいと思っております、本日はまことにありがとうございました』



シンプルだけど素直に気持ちが伝わるあいさつにわっと拍手が起こった



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