今日も風さえ吹きすぎる AfterStory 【文豪ストレイドッグス】

めちゃくちゃだけど　結婚式編 ページ17

ドアが開き、眩しさに少し目を細める


視線の先にはいつもの黒い服ではなく白いタキシードを着た中也がいる




ああもう、かっこいいな





練習通り、右足からチャペルへ入場する




ドキドキと心臓がなっているのがわかる

緊張でまっすぐ前を向けるはずもなく思わずうつむく




横で聞こえるすすり泣きは樋口さんかな、泣くの早すぎだよ

芥川さんはいつもとは違って優しい雰囲気に包まれているのが見なくても分かった





祭壇付近まで来ると首領と腕を解き中也の元へ行く


ふと中也の顔を見てみるとポカンという顔をしていた




『ぇ・・・？』


嘘、私、何か間違ったかな



思い返して見ても何も思い浮かばない




するといきなり中也が喋り出した






「悪い、見惚れてた」




『ぇ、』








「Aってこんなに綺麗だったんだな」


ガーッと顔が赤くなる





『中也もっ、格好よすぎ』


すると観客席からヒューという口笛が飛んできた






「ごほん、マフィアのお二人、神に愛を誓う気はありますかね？」


牧師役をしていた広津さんが［マフィアの］という言葉を強調させながらニコリと言った




「神になんざ誓わねえよ」


『じゃあ誰に誓うの？』





すると中也は私を見てニヤッと笑った








「Aに誓う」


『めちゃくちゃな結婚式だね、じゃあ私は中也に誓う』




「それでは誓いのキスを」


中也がベールを優しく挙げて私の頬に手を添える



「後悔すんなよ？」


『そっちこそ』




中也の顔が近づいてきて私たちはキスをした




『ああ、幸せ』


・

披露宴をあげましょう！　結婚式編→←バージンロードとベールダウン　結婚式編

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す