9.隈と猫 ページ9
叢雲を回収した後、僕はなるべく急いで高専に向かった。
幸い、昼休みに高専に着いたから午後の授業は出られる。
A『遅れてすみません……!今戻りました』
高専に帰る連絡はしてあるし、1年の教室に直行した。
横開きの扉を開ければ4人の同級生達がバッとこちらに振り向き__
悠仁「おっ、Aじゃん!昨日は帰ってこなかったから心配したんだぞ」
順平「A君……!おかえり、もう僕に黙ってどこにも行かないでね……」
A『ただいま、家に帰ったらそのまま寝ちゃってね……って、順平!?隈凄いけど大丈夫……?』
病んだ様子の順平にそっと手を握られる。
よく見たら目の下には家入先生みたいな隈が出来てるし、昨日寝られなかったのかな。
恵「吉野のやつ、昨日はお前がいなかったせいで大変だったんだ。
寮の外出時刻を過ぎてもAが帰ってこねぇって、夜中なのに飛び出して行きそうだったし」
野薔薇「午前の授業もやばかったわよね〜。全体的に病んでるオーラが出てんのよ」
A「そ、そうだったんだ……」
恵と野薔薇が僕がいなかった時の様子を教えてくれる。
順平をあまり心配させるのも悪いし、今度からは気をつけよう……。
目が合えば順平はニコッと微笑んでみせた。
なんだろう、少しヤンデレみを感じる。
A『でも、そういう恵と野薔薇も心配してくれてるメッセージを送ってくれたよね?』
野薔薇「べ、別にそんなんじゃないわよ!アンタにしては帰りが遅いなって思っただけだし?」
恵「ゴホッゴホッ」
2人から貰ったメッセージを思い返す。
恵なんかはけっこう早くに送ってきてたし、僕に指摘されむせていた。
悠仁「まぁ、皆んな心配してたんだけどさ。特にあの2人が__」
五条「Aが帰ってきたって本当……!?」
教室の扉が勢いよく開き、ズカズカと五条先生が入ってきた。
先生はそのまま僕に近づいてきて腕を広げ__
五条「もう、無断外泊なんて悪いことする生徒は一生僕の生徒になってもらうから!!」ギュッ
A『うわっ!?あの、五条先生……?苦しいです……』
力強く抱きしめられてしまう。
逃れようにも力じゃ敵わないので逃げられない。
すると、どこからともなく低い声が聞こえてきた。
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作者名:シュリィ | 作成日時:2023年5月7日 20時