49．食材と猫 ページ49
タコパと聞いて真人はキラキラと瞳を輝かせる。
さっそく必要な材料を脹相に伝えると、夏油がくすくすと笑いだし＿＿
夏油「くくっ、陀艮もいるのに酷いじゃないか。もしかして彼を食材にするつもりなのかな？」
陀艮「ぶっ！？」
花御「夏油……陀艮に手を出すのは許しませんよ」
A『大丈夫、タコは入れないから。タコパは色んなアレンジが出来るんだよね』
脹相たちを見送れば、陀艮が花御の影で震えていて。
『陀艮がタコなら……たこ焼き何個分なんだろ？』という疑問は心にしまう。
真人「夏油じゃないんだから陀艮を食べやしないよ」
夏油「私だってヤダよ、呪霊は不味いし」
A『……僕は食べてみたいかも』
真人/夏油「えっ？？」
僕の言葉で2人同時に驚いた顔をする。
漏瑚「……念の為言っておくが。儂らは食材じゃないぞ？」
A『それは分かってる。そうじゃなくて……』
飼い猫の頭に顔を埋め＿＿
A『こう、真人を吸ってるとさ……たまに噛みつきたくなるんだ』
キュートアグレッションってやつなのかな？真人は僕に吸われながらも、急に噛みつく。
A『いたっ！？』
真人「……あのさぁ」
真人はくるりと人の姿に戻って詰め寄ってきた。
怒ったのかと思えば、急に腰を抱いてきて＿＿
真人「そんなに煽られたら俺も我慢できないよ？もうベッドに連れてくね」
A『えっ何で……！？』
真人「Aは知らないの？猫はね……甘えたい人に噛みつきたくなるんだよ♪」
そのまま僕を横抱きにして上機嫌に寝室へ行こうとするけど。
真人の顔すぐ横を包丁が掠め、壁に突き刺さった。
裏梅「……今すぐA様を降ろせ」
真人「……嫌だけど？それに、Aの方から甘えたいって言ってきたんだしー」
裏梅「呪霊ごときが……それなら貴様から食材にしてやる＿＿！！」
真人「あはっ、宿儺の料理人だかなんだか知らないけど……ムカつくんだよ！」
何度目か分からない光景に僕は半ば諦めていた。
そういえば、宿儺も僕に噛みついてきてたよね。もしかして……宿儺も僕に甘えたかったのかな？
叢雲「＿＿ということは、宿儺も主殿に……」
A『あの時、叢雲もいたよね』
裏梅「叢雲……？この呪力、お前��八岐大蛇��か」
裏梅も叢雲と面識があるらしく、知り合いでもおかしくないか。
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作者名：シュリィ | 作成日時：2023年5月7日 20時
