18.演技と猫 ページ18
眠りに落ちれば、そこは宿儺の生得領域で。
積み重なる大量の骨と血の池が出迎えてくれる。
宿儺「__A、来たか。
ククッ……小僧を引き止めるお前の表情、なかなかの名演技だったぞ?」
A『話があるんでしょ?それなら、2人きりになれた方がいいと思って』
骨の山に頬杖をつきながら笑っていた宿儺だけど、僕の目の前に降りてきた。
そして、慣れた手つきで横抱きにされる。
久々に宿儺に直接触れられたけど、慣れてきたのかそんなに嫌な感じはしないな。
宿儺「ほぅ?気づいていたか。五条の前で話すべきものでもないしな。
まぁ、話といっても大したことではない……お前を愛でることに比べたら、な」
僕を抱いたまま、宿儺は骨の山の上に飛んだ。
いつも座っている場所に戻ると僕の頭や体を撫で始める。
A『いつも思うんだけど、僕を撫でるのってそんなに楽しい?』
宿儺「あぁ。猫を可愛がってる時のお前ほどには愉しいぞ?
それに……猫とは違い、敏感なところを撫でてやればいい声で鳴くからなぁ」スルリ
A『んぅ……// もう、変なところは触らないって約束じゃん』
宿儺にお腹の辺りを撫でられれば声が上擦る。
呪いの王なのに手つきがとても優しくて、周りの殺伐とした風景に違和感を覚えるくらい。
すぐ本題に入りたいけど……しばらく好きにさせよう。
宿儺「変なところとは何処のことだ?俺には分からんなぁ……」
A『分かってるくせに。
……その、真人とのこと話さないでくれてありがとう』
真人の名前を出せば宿儺の手の動きが一瞬止まった。
宿儺「……あの無礼な呪霊との関係をバラせばお前は高専に居られんだろ。
わざわざ俺から離れることはせん」
A『それなら、どうして悠仁達に会ってることをバラしちゃったの?
五条先生にも邪魔されないし、今まで通りこっそり会ってたので良かったんじゃ』
そこまで喋ったところで__急に唇を塞がれた。
宿儺は僕の唇を舐め上げ、開いてしまった口内に舌を絡ませてくる。
A『ん、ぁっ……す、すくな……?//』
宿儺「……黙っていろ、A。それ以上は抑えが聞かん」
息も絶え絶えになってやっと唇を離す。
4つ目の赤い瞳に見つめられ、僕は顔が熱くなってくるのを感じた。
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作者名:シュリィ | 作成日時:2023年5月7日 20時