暖かな手 【青】 ページ7
はぁ、と息を手に吹きかける。
寒空の下、すっかり冷えきった身体は暖を求めていたがどうにも動く気にならなかった。
「あれ、Aさん？」
「……？あ、」
駅前のベンチに座ってぼーっと足元を見ていたら、一瞬反応が遅れた。視線を上げるとそこには高校の同級生だったきんときくんが立っていた。彼とは2年と3年の頃同じクラスで、結構話す方だったと思う。卒業してからはめっきり連絡を取らなくなってしまったが。
「久しぶりだね〜。誰かと待ち合わせ？」
「あー……。そのつもりだったんだけど」
正直に話すか迷ったけれど隠すこともないかと思って何でもない風を装って口を開く。
「今日ね。デートの予定だったの。記念日だからって、約束してたんだけど……フラれちゃった」
へらりと笑って言った。……つもりだったけれど、ちゃんと笑えていただろうか。
今日は高校時代から付き合っていた彼氏との3年記念日だった。もちろん会う約束をして、精一杯お洒落をして、楽しいデートになるはずだった。
それなのに、会って開口一番に告げられたのはあまりにも残酷な現実だった。
「大学で他に好きな子ができたんだって。……なんかもう、どうしたらいいか分からなくなっちゃった」
かろうじて返事をしたことは覚えているけれど。その後の記憶は朧気だった。
「ごめんね！久しぶりに会ったのにこんな暗い話しちゃって」
「いや、こっちこそ…野暮な事聞いてごめん」
変な空気にならないようにと明るく振舞ってみたものの、かえって気を遣わせてしまっただろうか。
「んーん、気にしないで。きんときくんは何か用事？」
そういえば彼はどうしてここにいるのだろうか？と思ったところで、ふと予定があるのに私のせいで変に引き止めてしまっていたら申し訳ないなと思い聞いてみたのだが。
「……もう帰る所だったんだけど、今できた」
「…え？」
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ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» コメントありがとうございます。励みになります。 (2023年4月16日 20時) (
レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - 最近とても更新してくれて嬉しいです！これからも頑張ってください!! (2023年4月14日 6時) (レス) id: 06d1bec9da (このIDを非表示/違反報告)
ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» こちらが明記してなかったのですみません…。そのつもりでした。ただマフィアパロはいつか書きたいなとは思っていますのでもし時間ができれば頑張りますね。コメントありがとうございました。 (2023年2月18日 22時) (レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - ぽんこつらーめんさん» 何処かにかいていましたか!?そしたら申し訳無いです…。 (2023年2月18日 16時) (レス) id: 255513ac99 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» コメントありがとうございます。折角リクエスト頂いた所申し訳無いのですが一旦リクエストは1人1回までとさせて頂いております。申し訳ございません🙇 (2023年2月18日 15時) (レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽんこつらーめん | 作成日時：2022年12月31日 20時
