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ほんの好奇心だった。きんときさんが飲み物を取ってくると言ってキッチンへと消えていった時に、クローゼットから何がはみ出していたから。何だろうと思い、少しだけその扉を開いてしまった。


「な、に……これ」


そこは小さな部屋のようになっていて、壁一面にびっしりと写真が貼ってあった。床には文字の書かれた紙が散らばっており、真ん中にはノートパソコンが置かれていた。そして私は理解してしまった。その写真に写っているのが全て「わたし」であり、どれもカメラ目線ではない事に。

ぶわり、全身に恐怖が走った。


「Aちゃんお待た…あ」


声がして、ばっと勢いよく振り返ると飲み物とコップを乗せたきんときさんの姿。


「あーあ、見ちゃったの?悪い子」


くすりと笑った彼にわたしは"ここから逃げなければ"と本能が警告を鳴らし、すぐさま家を飛び出した。




___________


_______


__










「どうして、わたし…ずっと、怖くてっ」

ニコニコと笑っているきんときさんに涙を滲ませながら問いかける。ここ最近、ずっとストーカー被害に悩まされていた。誰かに後を付けられたり、無言電話が掛かって来たり、誰もいないはずの部屋でふと視線を感じたり。日に日にストレスで弱っていく私はずっと1人で抱え込んでいたけれど、とうとう耐えきれなくなって迷惑を掛けてしまうと思いながらもきんときさんに助けを求めた。彼はそんなわたしを無下にせず、真剣に相談に乗ってくれて。優しくしてくれた。今日だってわたしを元気づけようと家へと招いてくれたのだ。


「ふふ、ねぇ。Aちゃん。俺嬉しいよ。Aちゃんが辛い時とか困った時、真っ先に助けを求めるのがほかの誰でもなく俺なんだって。すっごい嬉しい」


恍惚の笑みを浮かべるきんときさんは私の目から零れる涙を手で優しく拭って続ける。


「Aちゃんのこと大好き。誰にも渡したくないし、見せたくもない。ずっとずっと俺だけのモノでいて?」


すっと目を開いたきんときさんの、いつも綺麗な紺碧の瞳はどこか濁っていて狂気じみていた。あぁ逃げなきゃと思った次の瞬間にはもう意識が途切れていた。





「もう逃がしてあげない」

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ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» コメントありがとうございます。励みになります。 (2023年4月16日 20時) (レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - 最近とても更新してくれて嬉しいです!これからも頑張ってください!! (2023年4月14日 6時) (レス) id: 06d1bec9da (このIDを非表示/違反報告)
ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» こちらが明記してなかったのですみません…。そのつもりでした。ただマフィアパロはいつか書きたいなとは思っていますのでもし時間ができれば頑張りますね。コメントありがとうございました。 (2023年2月18日 22時) (レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - ぽんこつらーめんさん» 何処かにかいていましたか!?そしたら申し訳無いです…。 (2023年2月18日 16時) (レス) id: 255513ac99 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» コメントありがとうございます。折角リクエスト頂いた所申し訳無いのですが一旦リクエストは1人1回までとさせて頂いております。申し訳ございません🙇‍ (2023年2月18日 15時) (レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽんこつらーめん | 作成日時:2022年12月31日 20時

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