ギャップ萌えってやつ 【赤】 ページ11
学パロ
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帰り際に担任に捕まってしまった。めんどくさいと思いつつも特に予定もなかったので断りきれず、クラス全員分のアンケートの紙を回収して職員室へと持っていった。
「おー、助かった。サンキューな」
先生にプリントを渡すと、ほいと一口サイズのチョコを3つくれたのでまぁ良しとする。
「失礼しました」
ガラリと職員室のドアを閉めて廊下を歩く。さっさと帰ろうと早足で下駄箱へと向かっていると。
「…………？」
階段を降りようとしたところで上から綺麗な音色が聴こえてきた。それは、優しくあたたかなピアノの音。私は何故だか無性にそれが気になって、音のする方へと引き寄せられていく。
階段を登ってすぐの所にあるのは音楽室。そっとドアの窓から中を覗いて見たけれど、丁度死角になっていて誰がピアノを弾いているのかは分からない。
演奏はまだ続いていた。
ひどく優しいその音に何故だか泣きたいような、そんな気持ちになる。
私は取っ手にゆっくりと手をかけて、静かにドアを開けた。
そしてそこにいたのは。
「…え、ぶるーく君？」
「…………！あ、Aちゃん！？びっくりしたー！」
にこにこと人懐っこい笑みを浮かべる、クラスメイトのぶるーく君だった。
「どしたのー？なんか用事？」
「いや…そういう訳じゃないんだけど。ピアノの音が聴こえたから、気になって」
こう言うと失礼かもしれないが、さっきの演奏をしていたのがぶるーく君だった事に衝撃を受けた。なんというか、賑やかな印象が強いからあんなにも繊細で優しい演奏ができるなんてあまりにも意外すぎる。
「そっかぁ。Aちゃんはもう帰るの？」
「まぁ、うん。帰ろっかなって」
先程まで早く帰りたい気持ちでいっぱいだったのに。何故だか今はもったいないな、なんて思ってる自分に驚く。…ぶるーく君のピアノをもう少し聴いていたい、だなんて。
「ね、ちょっとだけ。ここにいて欲しいな」
「え？」
「もう1曲だけ弾くから、聴いてほしいな〜。だめ？」
私の心を知ってか知らずかぶるーく君は私を引き止める。こてん、と首を傾げて私に問いかけるぶるーく君は大変にあざとかった。
「うん、いいよ」
そう答えるとぶるーく君は嬉しそうに笑ってピアノの鍵盤に手を置いた。
……なるほど、これがギャップ萌えってやつか。
その日まんまとぶるーく君に心を掴まれた私は定期的に彼のピアノ演奏を聞きに行くのだった。
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ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» コメントありがとうございます。励みになります。 (2023年4月16日 20時) (
レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - 最近とても更新してくれて嬉しいです！これからも頑張ってください!! (2023年4月14日 6時) (レス) id: 06d1bec9da (このIDを非表示/違反報告)
ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» こちらが明記してなかったのですみません…。そのつもりでした。ただマフィアパロはいつか書きたいなとは思っていますのでもし時間ができれば頑張りますね。コメントありがとうございました。 (2023年2月18日 22時) (レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - ぽんこつらーめんさん» 何処かにかいていましたか!?そしたら申し訳無いです…。 (2023年2月18日 16時) (レス) id: 255513ac99 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» コメントありがとうございます。折角リクエスト頂いた所申し訳無いのですが一旦リクエストは1人1回までとさせて頂いております。申し訳ございません🙇 (2023年2月18日 15時) (レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽんこつらーめん | 作成日時：2022年12月31日 20時
