おれの片想い中の人オメガでした【世界一クラブ】

ライバルなんか聞いてねぇ！！ ページ5

って、心に誓ったのが一週間まえのことなのに……

「かず、和、馬？いま、なんて…」
「……さっきも言ったはずだ。許嫁ができた、と」

いやいやいや、え？
一体全体、和馬は何をいってるんだ？

「この間の出来事を、じいさんに話した。そしたら、なぜか翌日、急遽お見合い？みたいなのが始まった」

おれの反応に、和馬は目を反らしながら呟く

和馬には、許嫁がいる。つまり、婚約者がいる。
はぁ？？

どんなに思考を巡らせても答えはでない。いや、答えは出ている。ただ、おれが認めてないだけで…

うん、こんなの正常を保てる奴いるのか。

「もしかして、もう番に……？」
「いや、さすがに早いって、父さんが止めた。だから、まだ許嫁の関係ってだけだ」

良かった。これなら、まだチャンスはある

「なあ、一応 聞くんだが、いくつくらいで番になるんだ？」
「じいさん曰わくは、高校を卒業してすぐ、らしい」
「……へえ」

まだ大丈夫……って訳にはいかないな。

「なあ、相手ってどんな人なんだ？ほら、綺麗な顔だったりだとかの、特徴とかは！」
「……顔は、確かに綺麗だった。ただ、綺麗な黒髪が印象的だ」
「他には？」
「……やけに積極的だな」
「まあ、な……で、それで？」
「深い青と、黄色の色違いの瞳。背丈は、光一とおれの間くらいだった」
「ありがとう。それで、肝心の名前は？」

名前が分かれば、捜索範囲が縮まる……！

「なにが肝心なんだ。まあ、名前は…確か…」
「__風早さん」

入り口から、人を呑み込むように、甘い。優しい声がする

「だれだ？」
「はじめまして。僕の名前は__」

“如月(きさらぎ)…！”

和馬の声に、如月と呼ばれた少年は
__海と太陽のような、美しい瞳を細めた

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