おれの片想い中の人オメガでした【世界一クラブ】

作戦ってなによ…… ページ20

鶴義視点

ってことだったんだけど……。

「徳川さんって……意外にも阿呆、ですね」
「なにか言ったか？」
「……いえ」

あはは…と愛想笑いで誤魔化す。

徳川さんの作戦は、
『おれと和馬が不倫関係であったため、婚約を破談する』
…っという、無茶苦茶な提案だった。

いや、お二人に完全なる被害が行ってるじゃん。
相談したのは僕だから、こういうのだど__余計 後味悪いんですよねー……

「如月様、到着いたしました」

しかし、今更 後戻りなんて出来ない。

腹をくくって、砂利道を踏み、一歩ずつ歩む
あああああ！！心臓が爆発しそう……！！

顔と心の温度差に、頭がぐらぐらしてきた。


「風早さんは…まだですか」

約束の三十分前
居間に腰を下ろしていると、障子があく

「！美子姉さん…」

白銀である風早さんに似た、綺麗な色の髪
トレードマークとも言える黒真珠のかんざしがきらめいた。

「鶴義、風早家との婚約、本当に……やめちゃうの…？」

可愛らしい声。困ったような下がり眉でそう言った

「……本当だよ」
「でも、世界一っていわれるほどのお強い忍び。美しかったのに」
「…はい」
「今からでも……やめないほうが」
「…」
「今、お互いの一族が協力すれば…。でも、このチャンスを逃したら」
「__ったしかに、また、一族同士で、もめあいが起きるかもしれない。でも、それでもっ」

(許嫁くん)が息を吸ってから言う

「僕は鶴華ちゃんが、大好きだから。例えなにがあっても……僕は」

“…ありがとう鶴義”

天井から和馬が音なく降りてくる
暗い色の忍びの服が、少しだけ浮かんだ

「これで…準備OKだ」
「えっ…それって！！」

スマホの録音を押しながら、和馬は走り去る。

美子姉さんは一礼されたあと、穏やかに笑った

「さあ、もう時間よ」

ここまでの(存在しない)あらすじ→←最近お知らせ多いね　一応二つ

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