家族で、新年の幕でも開けましょう ページ14
12月31日、時はまだ11:00を指す大晦日。
和風でもあり洋風でもある作りの家からは
__元気な声が、響いていた。
「母さん!あと、もう少しだよ!!父さん、帰ってくる?」
「ねえ、もう夜だよ。静かにして!」
黒色の髪の少年は、そっくりな顔の少年を怒る
「
「「父さん!」」
仕事から帰ってきた父親を見て、少年__陽向と陽和は声を揃える
「光一、お帰り。ほら、二人も」
「「お帰りなさい!」」
銀髪の人物が、二人に言う。
そう、これが『徳川』家。
父親である光一、母親である和馬、
息子である陽向と陽和。そして__
「……ちゃんと、成長してるって」
和馬のお腹に宿ってる、新しい
この五人がいるからこそ、『徳川』家はある
−
「もう、遅いよ父さん」
食卓に並べられた料理を食べていた時のこと。
陽和はムッとしながら、自分の真っ正面にいる父親を睨みつける
「ごめんごめん、少し仕事が長引いたんだ」
わしゃわしゃと息子の髪をかき混ぜると、少し照れくさそうにしてから、されるがわわになる
「っ…もういいから」
流石に恥ずかしくなったのか、自分より大きな手を拒む
無理やり再開するわけもなく、光一は少し笑ってから夕飯に手を付け直す
すると、前の方から声がした
「うえっ……ピーマン…」
助けを求めるように自分を見つめられるが、光一も苦手なため応えることはできない
「俺が食べる…」
陽和が、さっと自分のお皿にソレを奪い取ると、和馬は笑って光一に言う
「オレが貰うか?」
「…ありがとう」
光一がお礼を言って食器を見た時、そこにはピーマンの代わりにトマトがあった。
「和馬……」
「交換だ。何か悪いか」
全く、と言いながら内心かわいいと思っていると
『カウントダウン、スタート!!』
付けてたテレビから一際大きな音が聞こえる
「じゅう!きゅう!はち!」
テレビに合わせるようにして、陽向が元気いっぱいに声をあげたのが分かった
「なな、ろく、ご…」
陽和も合わせるようにして、声をあげる
「よん、さん、にい」
和馬が言う。最後の『1』を残して
じゃあ、ここはおれが。
息を吸って、吐くと同時に言う
「いち!!」
カチッ
「「「「ハピーニューヤー」」」」
四人の声が重なる。
すると、陽向が笑い始めた
それを初めに、陽和も和馬も笑う
「今年も、良い年になりそうだな。__新しい家族と」
幸せに、過ごせますように
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作者名:猫耳パーカー (仮) | 作者ホームページ:ないよ
作成日時:2022年12月21日 19時