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No.222 ページ1

一人でじっくりと考えたほうが良いだろうと帰

宅を促したカカシの言葉にポツリポツリと各々

が家路に着く。

赤く染まった夕陽に真っ黒な影が行く手に道を

作り、まるで、自身の心を写し出しているよう

だった……。





「ただいまぁ……」

自宅の扉を開き帰宅を知らせれば、リビングか

ら聞こえる迎える言葉と、靴を揃えろともはや

癖とも言える言葉を叫ぶ母の声に、何時もなら

イラつき反論に言葉を叫びながら渋々と靴を揃

えるサクラだが、今頭を支配している今日起き

た出来事にそれも出来ず……

ぼんやりとしながら靴を揃えると、自棄に重い

足を無理矢理動かして自室へと向かった。



「つっかれたぁ……」

身に付けた武器の収まるケース諸々を放り投げ

てベッドに飛び込む。

空気を包んだ布団と、ベッドのスプリングの音

がサクラの身体を受け止めた。

そのままうつ伏せに暫く目を瞑ると、何も考え

まいと只横たわる。

しかし、それでも思い出す出来事と柔らかな布

団に沈む身体に重く暗いこの胸の蟠りも同様に

沈み混むようで……

飛び込む際に広げた四肢を屈曲させると、その

布団を抱え込むように抱き締めて俯けていた身

体を横にした。


「(…………今日の雪希くん怖かったな…………)」

赤く染まった崖の先で底冷えするような冷たい

双眸と張り付けた笑顔……。

あの事件以来顔を見ることも安否を確かめるこ

ともできなかった……また、見たいと何度も願っ

たその顔が……その光景が……一気に凍てつき、世

界がひび割れていくように感じた……。

「(……"あの人"はもう雪希くんじゃないのよね……。……ううん……初めから……雪希くんじゃなかったんだ……)」

共に過ごし、今まで見てきた…好きだった雪希

がひび割れて、あの冷たい顔に置き換わる…。

これまで信じてきたものに裏切られた……

全て嘘であったと思い知らされた……

その事実が怖くて……、いつの間にか震えていた

身体を押さえるように固く布団を抱き締めて顔

を埋める。

No.223→



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ユリ(プロフ) - 二三周してきました!wwwやっぱり何回読んでもとても面白いです。更新楽しみにしてます! (2020年9月14日 16時) (レス) id: a96c1cf246 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 初めまして!一気に読ませて頂いました!とても面白かったです!これからも無理せずに頑張って下さい!応援しています! (2020年8月11日 14時) (レス) id: a96c1cf246 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - 初めまして。すごく面白いです! ご都合もあると思いますが、更新待っています。お体に気をつけて。 (2020年2月3日 0時) (レス) id: 52a662140b (このIDを非表示/違反報告)
かしわもち - とても面白いです!!更新はもうしないのでしょうか...。無理強いはしませんが、ずっと待ってます!頑張ってください!! (2019年12月15日 12時) (レス) id: 00be68459d (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - 月夜 黒輝さん» 返信が大変遅くなってしまい、申し訳ございません!長い間更新していなかった作品を見てくださり、評価していただけてとても嬉しいです!今回の回で少年編は完結するので、なるべく早く更新できるようにがんばります!見てくださり、ありがとうございます! (2019年10月30日 17時) (レス) id: b4a1ce9c3e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朔櫻 実桜 | 作成日時:2019年2月20日 17時

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