１９話 ページ21
自分も気にしていなかった小さな傷を、丁寧に
手当てしてくれている朱希＿＿。
思わず嬉しくなった桜楽が頬を染めながら手当
てする朱希を見つめ小さく微笑む…。
その間にも朱希は小さな絆創膏を手に貼り付
け、終わった作業にふと顔を上げた。
『とりあえず絆創膏貼っとくけど…家に帰ったら取った方がいい、血は止まってるはずだからな』
「あ、ありがとう…水穂くん…」
『ん…』
離された手をそっと握り桜楽はお礼の言葉を呟
く…
朱希はそれに小さく反応すると、そのまま無言
で簡易救急セットを片付ける。
そのまま黙ってしまった２人の間に、基地の中
にカチャカチャと片付ける音と遠くで集が肉類
等を焼く音だけが響いた。
「あ…あのね…水穂くん」
そんな小さな音だけが支配する空間に桜楽の声
が入りこむ…
『…なんだ…？』
「めいちゃんの…ことなんだけどね？」
朱希は静かに右手を握った＿＿。
「水穂くんは…めいちゃんのユーレイの存在…信じる？」
『…信じてるっていったら嘘になる…、けど…信じてないわけでもない…』
「どういう…」
桜楽の顔を見ずに淡々と言う朱希の言葉に桜楽
は首を傾げる
『とゆうかそもそも…この会にめんまの存在を信じてる奴なんて……どれくらいいるんだろうな…』
「……」
『でも…めんまの存在を否定したら……今度こそめんまは……』
「こんど‥こそ…？」
どこか桜楽じゃない誰かに語りかけるように
唯々言葉を紡ぐ朱希に桜楽はそっと朱希の右
腕を握った。
「水穂くん…？」
そうしなければ…朱希がどこか遠くへ行ってし
まうような…消えてしまうような気がしたのか
もしれない…。
しかし、そのまま口を閉ざしてしまった朱希だ
が、外から聞こえてきた鉄道達の声にそのまま
桜楽の手をすり抜けて外へと歩いて行ってしま
った。
「朱希にぃ…」
後に残ったのは虚しく響く桜楽の声だけだっ
た…。
『おかえり…めんまいたか？』
朱希が外に出ると、此処を張り切って出て行っ
た時とは打って変わり、しょんぼりと肩を落と
して帰ってきた鉄道に問いかけると、鉄道は残
念そうにうなだれた
「それがよ…見つからなかったんだよなぁ…」
先程までの元気はどこにいったのか……。
ずーんと効果音がつきそうな程暗く肩を落とす
鉄道に朱希も思わず苦笑がこぼれた
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Rui - 何回も、読み返してます！！続き、楽しみにしてます！ (2022年7月15日 23時) (
レス) @page27 id: 289fec47e0 (このIDを非表示/違反報告)
。。 - すごく面白いです！これからも更新楽しみにしています！ (2017年3月2日 15時) (レス) id: 6d58c9b9c0 (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - イリさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけてとっても嬉しいです！しっかりと丸く収まるように頑張ります(’∀’*)ありがとうございました！ (2017年2月20日 11時) (レス) id: cb01b25ab1 (このIDを非表示/違反報告)
イリ - これからどう話が進んでいくのか楽しみです、続き楽しみにしてます (2017年1月5日 21時) (レス) id: fb6882876f (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - アタさん» ありがとうございます！！私もあの花良いですよね(’∀’*)私も大好です！あの花の素敵な世界観を壊さないように、更新頑張ります！ (2016年12月6日 15時) (レス) id: cb01b25ab1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔櫻 実桜 | 作成日時：2015年9月7日 0時
