1.初めましてはイベントで。 ページ2
『っはぁ〜〜〜！！』
大きく吸い込んだ息を感動とともに吐き出す。
今日僕は、「ゲーム実況わくわくフェスティバル」という名の夢の舞台に来ている。時間は朝6時。
張り切りすぎちゃう？と思うかもしれないが、安心してほしい。僕は出演者ではなく、イベントスタッフとしてこの場に訪れたのだ。
イベントスタッフって聞くだけで心が躍る。
ある憧れの歌い手さんのライブ映像を見てから、僕はイベントの魅力を知った。
沢山のスタッフさんが、それぞれの仕事を協力してこなし、出演する人とともに一つの舞台を作り上げる。入念に、入念に。慎重に、慎重に。全ては一瞬の儚く熱いショーのために、関わる全ての人が思いを一つにして創造するのだ。
僕も、そんなうちの一人。
そう思うだけで、胸に何か熱いものが込み上がってくる。
『よぉ〜し！！』
冷え込む空気を目一杯吸い込み、僕は会場に足を踏み入れた。
「お、成瀬君早いね。」
『あ、おはようございます、小林さん。』
ロッカールームに入ると、ジャージ姿の男性が声を掛けてくれた。僕にスタッフの話をして下さった小林さんである。
「1週間半、家から通い詰めだったけど、よくまぁ頑張ってきたな！」
『いえいえ！なんなら、もっともっとここで作業したいです！この仕事が僕の夢だったんですから！』
そうか、と小林さんは愉快そうに笑った。
歌い手として活動を始め、そこそこ視聴者さんも増えてきた僕は、色んなイベントで下っ端として働かせてもらっていた。時々出演してみませんかなんていうのもあったんだけど、僕はまだ皆さんを楽しませるものを作り上げられる自信がないということで、有り難くはあったがお断りさせていただいた。
そんな中、何回かスタッフとしてご一緒させていただいた小林さんから、１つのメールが入った時のことは、今も覚えている。
「わくフェス、一緒に創りに行かないか？」
端的なその文は僕の心を爆破させる勢いで、僕は親に心配されるくらい嬉しかった。
当日1週間前に呼ばれて、会場準備やら物資の買い出しやら、放送機器の調子が悪くなった時には情報伝達役として、会場の構造を全部把握できたくらい走り回ったこともある。
今日はもう当日。長くて短かった日々ではなく、本番に目を向けなくては。
「そうだぞ。分かってると思うが、当日だって作業がないわけじゃない。むしろ、リアルタイムな本番が、1番の追い込み時だからな！」
『はい！』
目一杯、楽しもう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 148人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽいぽい(プロフ) - 瀬奈さん» ほんとですか！？なんかもう最近口調分かんなくて(特にワイテルズさん)そう言って貰えると凄い嬉しいです！ありがとうございます！！ (2019年7月31日 16時) (
レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
瀬奈(プロフ) - よく見たらtn氏だけじゃなく他の人まで口調そのままで草 (2019年7月31日 16時) (レス) id: a0f3363f6f (このIDを非表示/違反報告)
瀬奈(プロフ) - tn氏の口調まじでめっちゃ似てますね。 (2019年7月31日 16時) (レス) id: a0f3363f6f (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 伊吹さん» うわぁありがとうございます！なかなか発展しなくて本当にすみません…。頑張ります！ (2019年4月5日 13時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
伊吹 - めちゃんこ好みですわぁ！更新が楽しみです(●´ω`●)頑張ってください！ (2019年4月5日 2時) (レス) id: cf81f76ffe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽいぽい | 作成日時：2019年3月3日 22時
