大切な毎日 7

… ページ36

丈「そうやな。怒られたないから、パパに嘘ついたんやろ？やから今日はこんな泣かされてるんやな？」


こくこく、って何回も頷く和也。


丈「別に、どんな嘘も1mmもつくなって言うてるわけやあらへん。生きてたら、嘘つかなあかん状況にでくわす場面やってあるやろし、咄嗟に嘘ついてまう時やってあると思う。パパやって、今まで生きてきて1回も嘘ついたことないかって聞かれたら、そんなわけないし。」


和也「っ、…っぅ…ふえぇ…、っ」


丈「けど、ついてもまあ許される嘘と、許されへん嘘があることは分かるな？今日の和也の嘘は、どっちの嘘やと思う？」


和也「っっ…、、っゆ、ゆるされへん〜っ…」


丈「そうや。自分が悪いのに、人のこと騙して自分が怒られへんようにするなんて、悪い子がすることやで。流石に、パパも今回は見逃せへん」


和也「っ…！！っっぐす…」


そう。別に、今後一切嘘つかへんで、全部正直にしろって言うてるわけやない。
人間やし、多少の嘘はしゃーない。
俺やって、自分がクソガキの頃は親にうそつきまくって騙しまくってたしな…。


けど、自分の息子ってなったら話は別で。
今回の嘘は、俺だけについた嘘やったからまあええけど、これが友達相手やったら和也の人間関係にヒビが入ることもありえるから。
やから、そうなる前に、可哀想やけど泣かせてでも分かってもらいたいねん。


丈「もし嘘ついてもうたとしても、その後正直に言う。ちゃんと謝る。そしたら、パパやってそんな厳しく怒らへんよ」


和也「…っはぃ、っ…」


丈「ええな？パパとのお約束や。和也ならできるな？」


和也「うぅぅ〜っ…！！っはぃ、っ…っごめんなさいぃぃ」


丈「……ん。ほんならもうおしまいや。おいで」


和也「……っっ……」


丈「…？和也？もうええで、抱っこしたるからきぃや」


もうこれ以上うるさく言わんくても、和也なら分かってくれるやろ。
そう思って、もうお仕置きは終わりのつもりで和也を呼ぶけど、泣き止むどころか俯いてまだ泣いとる。
俺が和也に向かって両手広げても、全然こーへん。


和也「……っまだ、ええこやないもん…」


丈「へ？」


和也「ぱぱぁ、っ、まだ、かずええこやないからぁっ…っぐす…ペンペン、して…」


丈「はあ！？」


予想外の発言すぎて、思わずでかい声出してもうた。
やって、もう和也のケツ真っ赤やで…？
いや、まあ真っ赤にしたのは俺なんやけど。

…→←…

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す