大切な毎日 10 (ページ32)

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さっきはあんな怖い顔で、怖い声で、
おれのお尻をパンパン叩いてたお父さんやけど…

もう声も顔もいつもの優しいお父さんに戻ってた。

それに安心して、お父さんの首の後ろに手ぇ回して思いっきり抱きついてまう。

流星「うん、もうええよ。恭ちゃんいっぱい反省できたなぁ」

恭平「………っっぐす…っぅぐ…っふえぇぇ……っ」

抱き締められたまま、背中もトントンしてくれる。
お尻はほんまに痛いしずっとさすってな落ち着かへんレベルやけど、お父さんに優しく撫でられて一気に瞼が重なってきた。

うわ、あかん、寝そう…
いや、抱っこで寝るとか赤ちゃんやないんやから…

そんなん思ってても眠気にはもう勝てへん。
目がトロントロンになってんのが自分でも分かった。

流星「ええ子ええ子。恭ちゃんはお利口さんやな〜」

……めっちゃ子供扱いしてくるやん…

いつもやったら文句言うんやけど、
今はそんな体力も無くてただ黙ってお父さんにしがみついてた。
泣き止みたいのに、お尻は時間経つごとに余計にヒリヒリしてくるから無意識に涙が止まらへん。

もういやや…
やっぱ、お尻ペンペンは止めてもらお…

恭平「おとーさん…っあの、これからはさ…
げ、ゲームでええから…おしおき…」

やっぱお尻ペンペンは取り消しで今まで通りでええ！ってことを伝えたかったんやけど、お父さんは首傾げて『なに言うてんの？』って顔。

流星「え？もう戻さへんよ。これからはお尻ペンペンって決めたやん」

恭平「……え、っえ…！？」

流星「なに驚いてんの。恭ちゃんが決めたんやろ」

恭平「じ、じゃあ、また、おしり…おしり、叩かれるん…！？」

流星「いや、恭ちゃんが悪いことせんかったらええだけやって。パパやって、悪いことしてへん子のお尻叩いたりせえへんし」

恭平「えぇ……っお、おねがいお父さん…おしおき、戻して…」

流星「だーめ。恭ちゃんへのお仕置きはこれからはお尻ペンペンです」

恭平「〜〜っ…！いやや、いやや！！そんなんむりぃ！！」

うわ……っもう、ほんまに最悪……！！
なんでお尻ペンペンに変えてとか言うてもうたんやろ…

あーー、駿に余計なこと聞かんかったらよかった…