大切な毎日 10 (ページ18)

今日:27 hit、昨日:45 hit、合計:16,753 hit

… ページ18

あぁもう、さっきまでええ子やったのに…
実際に買ってもらえる子を隣で見てもうたから、
我慢できなくなったんやな。

けど、やからってじゃあ買うてあげるってなるわけがないし。

大吾「買わへんよ。大体、おもちゃ見るだけって約束でお店入ったんやで？お約束守るって言うたんは誰なん」

和也「だって、だってぇ！ほしいんやもん、おれやってほしい〜！」

大吾「そんな我儘言うても買いません」

和也「おれもっ…おれも！これ〜！おれもおれも〜！」

大吾「ちょ、もう…地団駄踏まんとって」

和也がおもちゃ指さしながら、
ダンッダンッ！！て足踏みがうるさい。

大吾「こら、他のお客さんの迷惑なるやろ」

和也「やってぇ…！パパが、買うてくれへんからぁ…！」

大吾「次の誕生日に買うたるって言うたやん」

和也「〜〜っでも、っでも…！なくなってるかもしれんしぃ…」

大吾「無くならへんよ。ちゃんとパパが用意して…」

和也「でもぉっおれのたんじょーび、まだまだやん！いまほしい！いまぁ〜！」

あぁ、もう何言うてもあかんモードに入ってもうた…。

ほんま、和也の担任の駿佑先生にもこの姿見せたりたいわ。幼稚園では常にいい子ちゃんらしくて、『和也くんが悪い子やったことなんて1回も見たことないです！』…って、この前の面談で言われたっけ。笑

確かに、パパである自分でも思うくらい和也は周りに対して普段お利口さん。
あ、親バカの自覚はあんで。

やから、たまにこうして子供っぽい一面見せてくれると正直ちょっと安心すんねん。
まあ、やからって何でもかんでも我儘通すわけではない。

大吾「和也、ええ加減にしなさい。お約束守れん子にはパパそろそろ鬼さんなるで？」

和也「〜〜っっ…！……おにさん、いやっ…」

大吾「やったら、そんなイヤイヤしてへんではよお家帰ろ。ほらおいで」

和也に向かって手ぇ差し出しても、
相変わらず和也は不貞腐れた顔のまんま。
ほっぺぷくーって膨らまして、可愛ええ目で俺の事睨んでる。

…いつまで経ってもそんな態度なら、俺ももう優しく宥めへんで？

大吾「じゃあもうええよ。好きなだけそこで我儘しとき」

和也「ぅえ…っ」

大吾「パパは1人でお家帰るから。じゃあな？」

そう言うて、和也に背ぇ向けて歩き出す。
いつもならここで泣きながら追いかけてくるんやけど…

足音が近づいてくる気配が全然無いねん。
不思議に思ってチラッと後ろを見たら、