大切な毎日 10 (ページ2)

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もう毎日のようにこのやり取りしとるわ…
大ちゃん、パパの所に帰ろうとして休み時間とか授業時間の合間にしょっちゅう隙を見て逃げ出そうとすんねん。

毎日のようにこうしてマークしてギャン泣きの大ちゃんを言い聞かせて最終的には力づくで連れ戻す～ってほんまに体力使うねんで！？
先生に何も言わんで外出ようとするのがどれだけ危ないか、毎回言い聞かせてるんやけど一向に改善されへん。

これが新学期始まってから毎日やから、正直きっついわぁ…これいつまで続くんやろ…！？

結局その日はなんとか大ちゃんを下校まで学校に居させることはできたんやけど、放課後にはもう俺の体はクッタクタ。
職員室の自分の机に突っ伏して休んでたら、

謙杜｢お疲れ様です～。また大吾くんですかー？笑｣

隣の席の謙杜先生が、苦笑いしながらコーヒー渡してくれた。

和也｢そうなんよ～…なんか、落ち着くどころか余計にヒートアップしてる気がして！これ、俺の対応が悪いんかなぁ…｣

謙杜｢んーー…いや、和也先生は悪ないと思いますよ？
何してもどんな環境でも、結局親が1番で登校拒否する子ってやっぱどこにもいますし｣

謙杜先生は、新卒から異動無くこの学校に勤めてるんよな。

やからこの学校歴で言うたら謙杜先生の方が先輩なんやけど、教師歴で言うたら俺の方がちょい上なんよ。

…あっ、そう言えば、謙杜先生って去年1年生の担任やったよな？

和也｢去年、こういう時謙杜先生どうしてた？大ちゃんみたいな子おったー？｣

謙杜｢まあ、何人かおったけど1ヶ月もすれば皆慣れてましたね～。強いて言えば、それこそお兄ちゃんの駿は最初結構酷かったけど｣

和也｢あぁ…そっかぁ、駿も確かにそうやったな｣

駿ってのは、大ちゃんの1個上のお兄ちゃん。
いつもニコニコで可愛くて、お手伝いもやってくれて、率先して挨拶もしてくれて…ほんまにええ子なんよ！！
今は2年生で、謙杜先生は去年から持ち上がりで駿の担任やってるんよ。

でも確かに、去年は駿も正門前でビービー泣いてんのをよう見たわ…

和也｢似た者兄弟なんやな、あの2人。笑｣

謙杜｢まー駿は大吾くんほど重症では無いですけど。笑
兄弟揃ってパパっ子なんですよね～｣

和也｢駿は、脱走しようとしたりってことあった？｣

謙杜｢ありましたありました、もうそんなんしょっちゅうですよ？まだ下校時間やないのに、ちゃっかりランドセル背負ってこっそり校門出ようとしてたりとか｣