大切な毎日 10

一緒にいたくて(緑/赤、橙/赤) ページ1

シリーズ7【授業中の大脱走】と同じシチュエーションの作品です。

和也先生と大吾くん
➕で流星パパ、駿くん(大吾くんのお兄ちゃん)も出てきます。

リクエストありがとうございます‪( ¨̮ )︎︎♡


✿


【和也side】

前の学校から異動してきて、2年目の春。

今年は、1年生の担任になってん。

教師になってもうだいぶ慣れてきた頃やけど、
実は1年生を担当すんのは今年が初めてで。

担任発表された日から、1年生って絶対大変やろな〜って覚悟はしてたんやけど…
現実は、思ってるよりも100倍過酷やってん…


和也｢だいちゃ〜ん、そろそろ教室戻ろ？
…あっ…今日の給食、大ちゃんの好きなカレーらしいで！｣


大吾｢いやっっ…だいちゃん、かえる…！｣


和也｢えぇ、そんなん言わんとさぁ。
お給食食べて、もう1時間だけお勉強したら今日はもうお帰りやから。もう少しだけ頑張ろ？｣


大吾｢やだ、やだ〜！だいちゃん、いえかえるぅ…！きゅーしょくのカレーいややもんっ、パパが作ったカレーがええ〜！｣


この子は、俺のクラスの子の大ちゃん。
今年の春に1年生になったばかりで、つまりはつい最近まで幼稚園児やったまだまだちびっ子ちゃん。

正直、俺が毎日疲労困憊しとる原因はこの子やねん…笑

大ちゃんはな、もう超ド級のパパっ子で、甘えん坊の寂しがり屋さん。
小学生になって新しい環境にまだ慣れてへんのもあるけど、パパと離れる時間が長くなったこともあって入学式の日からずーーっとこうしてイヤイヤしっぱなしで常に家に帰りたがってんねん。

今やって、ほんまならこれから給食の時間やねんけど
大ちゃんは１階の階段下の狭いスペースにちょこんと座り込んで離れへん。

大吾｢パパにあいたい〜…！…っうえぇ…っっだいちゃんかえる〜〜！｣


和也｢おっと！…うんうん、そうやなぁ、パパに会いたいなぁ…もうちょっとお勉強したら帰ろうなぁ〜｣


いきなり、校庭の方に向かって勢いよく飛び出した大ちゃんの体をギリギリセーフでガッチリ捕まえる。

あっっぶな、一度逃したら大ちゃん中々捕まえられへんねん！逃げ足早いからさぁ…

そのままひょいと抱き上げて、可哀想やけどもう力づくで教室に連行させてもらった。


大吾｢わあぁあぁんっっおろして！！おろして〜！ぱぱのとこかえる〜っ！｣


俺の腕におさまった大ちゃんは、もう釣りたての魚ってくらいジタバタ大暴れ。

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