【すとぷり】好き + 嫌い = 大嫌い【ななもり】

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食べようとご飯が入った方を取ると､後輩らしき子が話しかけてきた｡


『はい?』


「先輩達､付き合ってるって本当ですか?」



口に入れたご飯を吹き出しそうになったけど､なーくんがとっさに私の口を押さえてくれてセーフ｡(本当はちょっと出たけど)



「うっわ､ついた」


『洗ってこーい』


「で､あの…」


『あー､付き合ってないよ｡
　っていうか勝手になーくんがついてくるだけだし｡』


「あ､なーくんって聞けた!
　やった…!」


『は…?』



あだ名で呼んで"やった"とは…｡



「ななもり先輩､なーくんって呼ぶのA先輩しか許可してないみたいですよ」


『え､それ誰情報』


「部活の先輩情報と同級生…他にも色々あります!」



そんなにたくさんあるのに私の耳にはかすれてもいないってすごい噂の回し方だな｡



周りの子で"なーくん"って呼んでた子いなかったかな…｡



『あぁ､まぁ確かに｡
　知ってる限りではみんな"ななもりくん"って呼んでるかも』


「ですよね!!
　応援してます!」


『あ､はーい｡
　……って付き合ってないよ!』



なんだか嬉しそうに食堂を出ていく後輩の背中に向けて言う｡



「すごいなぁ､俺の耳にも届いてなかった」


『いつの間に…』


「まぁ､その通りだからいいんだけどね」


なーくんはさりげなく言うと､お昼を食べ始めた｡

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