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(貴女side)
A「ミリオン…ですか」
マネ「そ、ミリオン」
A「そんな、売れたんですね…」
マネ「そ。なんかどっかのアイドルがラジオでお前の曲を紹介したらしくて、そっからバーン!よ。さすがだねぇ」
A「ありがたいですね」
マネ「ってわけで、これいつものな」
A「え!!先月いただいたばかりなのにいいんですか」
マネ「いいのいいの!うまいもん食ってまたいい曲作ってくれって、社長からだ。感謝しろよ」
A「はい!ありがとうございます!!」
何かを達成した時のボーナス5万円…まさか今月もいただけるなんて。
先月、あのマンボウのお兄さんとお会いした日…汚れてしまった服を洗おうとよく見たら、穴が開いていて。少々のことなら繕うけれど、ちょっと難しい穴の開き方だったから捨てざるを得なくて。手持ちの服が一着なくなってしまったところだから、本当にありがたい。
スニーカーも靴底がはがれ始めているから新しいのが欲しかったんだ。どっかアウトレットセールとかしてないかな…
マネ「ところで、お前にラジオの仕事が来てんだけど」
A「え!?」
マネ「受けといたから」
A「え、いやいやいやいやいや無理ですよ、人前に出るなんてそんな」
マネ「人前じゃねぇよラジオだよ。その、紹介してくれたアイドルくんのラジオ」
A「アイドルなんてそんなキラキラした方の前に出るなんて無理ですそんな」
マネ「うっせぇな、これは決定なんだよ。たった5分のコーナーなんだ、やれ。これは命令だからな」
A「えっ……そんな……」
それだけ言い放ち、すたすたと行ってしまうマネージャーさん…
いやだ、人前は。
私のこの顔なんて、他人にとっては嫌悪の対象にしかならないはず。だから隠しているのに。
ましてや相手はアイドル。顔とキャラクターを売っている方々の前に、顔も人間性も売れない、歌しか歌えない私がでていいはずがない。
いやだ。
いやだけど。
この会社に見捨てられたら、私にはもう、生きていく方法が
歌う方法が、ない
.
A「いやだなぁ…」
.
だれにあてるでもない小さな愚痴は、
冷たい事務所の空気に溶けていった。
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なの(プロフ) - なんかすっごい夢おっきい小説です!!頑張れば誰か見ててくれるかな?なんて夢見ちゃいます(*´-`)でもその後の2人が気にならすぎてますwwwもし続編予定などあったら嬉しいです! (12月11日 2時) (レス) @page35 id: ede454b4f6 (このIDを非表示/違反報告)
kazu48(プロフ) - こんばんは(*´−`*)ノ鍵開放ありがとうございます!読ませて貰えた事が嬉しいです。未来が見えない主人公ちゃんに対して手を伸ばしてくれた深澤さん、楠ちゃん、2人には感謝しかありません。こんな素敵な物語ありがとうござました。 (12月10日 22時) (レス) @page35 id: 00fd7e8319 (このIDを非表示/違反報告)
Haeruka(プロフ) - まめさんこんばんは!楽しく読ませていただきました。完結おめでとうございます!続きが読みたいです! (12月10日 19時) (レス) @page34 id: 0fffe817ab (このIDを非表示/違反報告)
純子(プロフ) - 楽しく読ませていただきました。ふっかさん最高です!続きが読みたいです! (12月10日 12時) (レス) @page35 id: febebea64f (このIDを非表示/違反報告)
り(プロフ) - まめ様こんにちは!鍵開放ありがとうございます!それと完結おめでとうございます✨未来が見えない主人公ちゃんに対して手を伸ばしてくれた深澤さん、楠ちゃん、2人には感謝しかありません。こんな素敵な物語ありがとうござました!深澤さんと主人公ちゃんに幸あれ! (12月10日 11時) (レス) @page35 id: 8a7f8df675 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まめ | 作成日時:2023年9月27日 18時