姿の見えない相手 ページ47
〜A☆Side〜
志萱「A、何かあれば遠慮なく相談してくれ。どんな小さなことでもいい」
真剣な口調で言われたその言葉に、
私が小さく頷くと、志萱さんは優しげに微笑んだ。
志萱「改めて、これからよろしくな」
あ「は、はい・・・っ」
――あ、れ・・・?
何だろう、急に・・・
あ「こちら、こそ・・・」
くらりと視界が揺れる。
あ「よ、ろしく・・・お願、い・・・っ」
その言葉の途中で、私の視界は傾き、真っ暗になった。
〜志萱☆Side〜
ベッドの上で倒れたAを、
白夜が支え、俺がそっと横たわらせる。
志萱「やはり、相当無理をしていたみたいだな」
Aが飲み終わったグラスを机に置き、
俺は眠るAのすぐそばに寄り添っている白夜に視線を向ける。
志萱「白夜。しばらくその子を頼む」
そう告げて、俺は診察室を出た。
誰もいない廊下を歩きながら、俺は口を開く。
志萱「・・・おい」
?「なーにぃ?」
俺の言葉に、返事が届く。
志萱「あの子をどう見る」
?「んー・・・可愛いけど、俺のタイプじゃないかな」
志萱「・・・・・・・」
俺は立ち止まり、真横を睨み付ける。
?「・・・ほんっと、忍ってば冗談通じないよね」
志萱「俺は極めて真面目に聞いているんだが」
低い声でそう言うと、小さな溜息が返って来る。
?「あの力は確かに大きいね。覚醒したら俺、負けちゃうかも」
冗談っぽく言って笑う声を聞きながら、俺は再び歩き出す。
?「あの天宮神社の巫女ってだけあって、俺の気配も一瞬見えたみたいだし」
志萱「・・・」
?「にしてもさぁ・・・薬で女の子眠らせたから、何かやらしーことでもすんのかと思った」
志萱「・・・・お前、そんなに消されたいか」
殺気立ってそう言うと、小さな笑い声が返ってきた。
?「医者がそんなこと言っていいのー?」
くすくす笑う声に苛立ちを抑えながら、俺は待合室へと辿り着く。
そこに座っていた1人と目が合うと、その人物は立ち上がる。
伏見「・・・・アイツは」
向けられた鋭い目付きを受け流し、俺は答える。
志萱「今は眠っている。こちらへ」
そう言いながら近くの空部屋の扉を開けると、
その人物は小さく舌打ちをしながらも
大人しく部屋の中へと入った。
部屋の中にある椅子に座るように指示して、
俺もその向かいの椅子に腰を下ろした。
志萱「改めまして。志萱 忍だ」
伏見「・・・伏見 猿比古」
簡単な自己紹介の後、俺は本題を口にする。
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アクア(プロフ) - 沙夜さん» ありがとうございます! その嬉しいお言葉が、頑張れる源です!(。-`ω-) (2016年3月12日 0時) (レス) id: 73c7efff3b (このIDを非表示/違反報告)
沙夜 - 楽しく読ませてもらっています。これからも更新頑張ってください!! (2016年3月6日 23時) (レス) id: 236ae9874e (このIDを非表示/違反報告)
アクア(プロフ) - **感謝リクエスト募集終了** (2016年1月31日 0時) (レス) id: 73c7efff3b (このIDを非表示/違反報告)
アクア(プロフ) - 十六夜キツネさん» ありがとうございます!! これからも頑張ります(´ω`*) (2016年1月24日 19時) (レス) id: 73c7efff3b (このIDを非表示/違反報告)
十六夜キツネ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいております!お気に入り登録者100人突破おめでとうございます!これからも応援していますヽ(´∀‘。)ノ (2016年1月19日 10時) (レス) id: cee5abaccc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アクア | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/furanandberulove/entrylist.html
作成日時:2016年1月1日 0時