Episode7 -5 ページ45
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叫び声を上げなかった自分をほめたたえたい。
そのくらい衝撃的な発言だった。
本当に、ちょっと駅前のコンビニの新商品知ってます？みたいな、そんな感じだったんだけど。
思いがけない相手にたどり着いてしまって心臓がバクバクとうるさい。
「……え、あの、え……？」
「どうかしましたか？」
完全にパニくる私と対照的に相葉さんはすごく落ち着いている。
ただの客である私からねがいごとキャンディなんて魔法グッズの名前が出たことにもう少し驚かないものだろうか。
そんなことよりも。
あわてて私は鞄の中に手を突っ込む。
「それって、これと同じやつですか？」
「はい、そうですよ」
私が手に持った小瓶を見た相葉さんはこくりとうなずく。
落ち着いた明るさの照明の下でもキャンディは月と同じ色でそこにある。
「……どこで知ったんですか？」
「いや、どこでと言われても……普通にもらいましたよ、おばあさんに」
「もしかして知らない路地に迷い込みました？」
「はい」
「stray sheep……ですか？」
「はい」
「おばあさんに魔法を信じるかって聞かれて、さっきと同じように返事しました？」
「はい」
「………」
矢継ぎ早の質問に、滞りなく頷く相葉さん。
お店の名前も知ってるってことは、やっぱり…。
相葉さんが、前回あのお店に迷い込んだっていう“坊や”？
あれ…でも確か、おばあさんが二十歳くらいって言ってたような……。
「失礼ですが…相葉さんっておいくつですか？」
「？…二十三ですけど」
「二十三！？」
うそ、年下！
普通に年上だと思ってた！
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年1月24日 21時
