�癸� ページ10
見たくもない、夢を見た。
記憶を失った日のことを。
目を開けると、白いカベが見えた。
「連ちゃん・・・？」
私の横には、連ちゃんがいた。
「連ちゃんか・・・。その呼び方だと記憶取り戻したのか？薺」
「うん・・・。全部。」
「そっか・・・。」
「ねえ、連ちゃん。私の事、嫌いなのになんで、優しくしてくれたの・・・？」
「・・・。今でも嫌いだ。お前は俺の両親を殺したんだからな。」
「・・・。」
「って、ずっと思いたかった。」
「え？」
「薺は、まだ思い出せてないのか。全部、俺のせいなんだ。俺が自分の親を殺した。」
「なに、言ってるの？」
「俺は、薺に言ったんだ。「父さんに、目隠ししてみろよ！」って。俺は、それがどういう
ことを招くか知ってたはずなのに・・・。薺は、幼かったから分からなかったんだろうな。」
「うそ・・・でしょ？」
「俺の親父、そのとき家に帰るのが遅くて母さんともめてたんだ。
それで、父さんが母さんを殴ったんだ。俺さ、母さんのこと大好きで・・・
父さんなんか、死ねばいいって本気で思ったんだ。それで・・・薺を使ったんだ」
「私は・・・騙されてたの？」
「本当にごめん。俺は思いたくなかった。自分の親を殺したのは息子の俺だなんて。
中学のとき、おまえがいじめられてるのは知ってた。でも、母さんまで死んだ腹いせにお前に
ひどいことを言った・・・。」
「最低だよ。連ちゃん！」
「ああ、知ってる。俺が最低なんて。お前が俺の目の前で、飛び降りた時息が止まった。
まさか、本気で死ぬなんて思ってなかったんだ。俺は逃げたんだ。怖かった。
薺は死んだんだと思った。でも、生きていた。そのかわりに記憶がなかったけどな。」
「・・・。」
「信じてもらえないかもしれないけどな。俺、お前の事大好きだったんだ。
守ってやりたかった。ごめんな、薺。」
「連ちゃんは最低だよ。人間として最低なことをした。」
「ああ、そうだな。」
「でも、そんな連ちゃんが好きって思う私は、もっと最低なのかもね。
私は、たぶんきずいてたんだと思う。でも、止めなかった。
ううん、止められなかった。大好きだったから。連ちゃんが。ふつう、止めるのにね」
「薺ッ・・・。」
「大丈夫だよ、連ちゃん。私はずっと一緒。だって約束したでしょう？」
「ああ・・・。そうだな。本当に、ごめんな・・・。」
そういい、連ちゃんは顔を伏せて泣き出した。
連ちゃん。私ね、連ちゃんが大好きなんだよ。
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
赤りんご - 完結おつかれ様( ` ∀ ´*)ﾉまたいいの書いてくれよっw (2014年1月15日 20時) (
レス) id: 346f0169ca (このIDを非表示/違反報告)
シュー・ラ・ルゥ(プロフ) - ついに、完結しました！！応援してくれたり、読んでくれてありがとうさんｗｗこれからも頑張りマッスル！ではでは〜。おやすみかん♪ (2014年1月13日 20時) (レス) id: da35d51196 (このIDを非表示/違反報告)
赤りんご - さすがっすねwやっぱ天才だw (2013年12月4日 14時) (レス) id: 346f0169ca (このIDを非表示/違反報告)
シュー・ラ・ルゥ(プロフ) - ありがとよっ！！頑張ります！ (2013年12月3日 19時) (レス) id: da35d51196 (このIDを非表示/違反報告)
赤りんご - 面白い！頑張って！ (2013年11月19日 18時) (レス) id: 346f0169ca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シュー・ラ・ルゥ | 作成日時：2013年10月11日 18時
