【69】母 ページ21
｢優秀といえばAもだろ？｣
シリウスは、にま〜っとしてAに顔を近づけた。
茶化しているような雰囲気を感じとったAは、別にそんなことないです、とむくれた。
｢Aの両親は？その優秀さは遺伝なのかな？｣
Aが不機嫌そうなのを気にしていないのか、それとも知っていながらなのか、ルーピンは悪意ない笑顔でAに問うた。
Aは言葉に詰まった。
どう話し出したらいいものか。
シリウスの眉が、ぴくりと動いた。
そしてAを凝視したあと、ゆっくりルーピンのほうを向いた。
｢……こらリーマス。安易に家族の話を聞きだすもんじゃないぞ。
全員が全員、家族にいい思い出があるってわけじゃない。
といってもまあ、少数だが｣
シリウスは、大して興味無さそうに話していたが、Aに気を遣っているようにみえた。
｢……そうだね。不躾な質問をした｣
｢大丈夫ですよ、ルーピン先生。
シリウスも、ありがとうございます｣
Aがシリウスに微笑みかけると、シリウスは安堵して、脚を組み直した。
｢母は魔法使いで元ホグワーツ生です。首席ではなかったんですけど、まあ、成績は良かったっぽいです。
私が優秀ってことなら、まあ遺伝なんですかね｣
Aは斜に構えながら笑った。
シリウスもルーピンも、朗らかに微笑んでAの話を聞いている。
｢ホグワーツで優秀な成績を残したってことは、就職先は引く手あまただったろうね｣
ルーピンが上の空でつぶやいた。
｢ああ。母は魔法省で働いてました。
どこの部署かはわかりませんが、主に血統の違いによる差別をなくそうとしていたみたいです｣
｢ほう。それは、それは｣
シリウスは感心したような口振りだった。
Aはゆっくりと記憶を辿った。
｢母の親友だった人がマグル生まれってだけでスリザリンの奴らから不当な扱いを受けているのが許せなかった、って話を小さい頃に聞かされた気がします｣
シリウスが神妙な面持ちで口を開いた。
｢失礼を承知で言うが、あいつらは根が腐ってる。
奴らの思想を根本から覆すってのは、すこしばかり無謀な気がするがね｣
｢私もそう思います｣
Aが眉を下げて微笑んだ。
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ココ - とても面白かったです(≧〜≦)) (2018年12月8日 17時) (
レス) id: b9c23439f9 (このIDを非表示/違反報告)
朝比奈(プロフ) - とても面白いです^_^更新楽しみにしてます^_^ (2018年5月24日 17時) (レス) id: ebaf376ead (このIDを非表示/違反報告)
花吹雪 - 霧崎さん» 恐るべし、セブルス・スネイプ…… (2018年2月28日 6時) (レス) id: 0d387c6cdc (このIDを非表示/違反報告)
霧崎(プロフ) - 花吹雪さん» セブルス・スネイプだから許される奇行ですね…… (2018年2月26日 23時) (レス) id: 6ee8c035df (このIDを非表示/違反報告)
花吹雪 - 霧崎さん» 確かに……笑自分の教師がそんなことしてたら普通に引くわ笑 (2018年2月26日 22時) (レス) id: 0d387c6cdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霧崎 | 作成日時：2018年2月19日 20時
