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狂27 ページ30

Noside




頭を掴まれた儘、窮地に陥ったルーシーが言葉を発そうとする。


ル「わ、私は…」



貴「五月蠅い」



其の儘首を掴まれ、息が苦しくなっていくルーシー。



苦しんでいるのをまるで見ていないかの様に



貴「ねェ組織の為に此の儘死ぬか、組織を裏切って情報を吐いて死ぬか」



何方がお好み?



そう問うA。



ルーシーが怯え、苦しみ乍らもAを見降ろすと、



ル「ひっ」


其処には口こそ笑ってはいるものの、眼は人殺しを何とも思わないマフィアの眼をしている


Aが「やァ」と頭から離したもう片方の手でルーシーに向かって手を振っていた。



貴「勿論、決意が決まったから私の方を向いたのだよね?」



ルーシーが情報を吐ける様に首から手を離し、再び頭へとやる。



何か動けば異能を発動して御前の精神を壊すぞ、と脅す様に。



然し。



手を触れた瞬間から異能が発動し、Aにルーシーの過去が流れ込んでくる。



痛い


辛い


寒い



貴「…孤児院…」


浮かされた様にそう呟くAにルーシーが戸惑いを覚えた。




ル「…何を言って…」


次の瞬間だった。


ルーシーside


私は過去の世界に引きずり込まれていく感覚に陥った。



ル(子供)「…痛い…冷たい…」


指の痛みが中々消えない事に涙ぐみながらぬいぐるみを抱き締め、


冬景色の窓の外を見つめる



嫌だ


嫌よこんなの


もう思い出したくない



でも、記憶に囚われる私の締まっていた首が突如として開放された。



ゆっくりとタイルに降ろされ、怯え切っていた私の顔を覗き込む様に目線を合わせてきたのは


先刻とは打って変わった様に微笑んだ彼女だった。



ル「…い、っ嫌!!此方に来ないでっ!!」


触れられたら此の儘壊される。


その思いと共に相変わらず頭の中で鳴り響く昔の自分の声に耳を塞ぎたかった。


でも其の儘近付いてくる彼女に殺されるんだ、私、と悟った。



ぎゅっと力強く目を瞑る。



と同時に頭に彼女の手が乗った。


貴「…辛かったね、」


ル「!?」


顔を上げると先刻の彼女では無いが、確かに同一人物であるAが居た。



貴「ねェ、私と一緒に来ない?」


そう、言われた時に何かが切れた気がした。



貴女には_________貴女には分からないでしょう!??



その一言でアンがリボンを引き千切り、此方へと再び彼女を捕まえに飛んだ。



ル「捕まえた♡」


今度は私の番だった。

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花コム( ゚Д゚) - 柏村葬さん:へぇ!そ、そうだったんですね…漫画持ってないので知りませんでした…申し訳無いです… (2019年3月5日 8時) (レス) id: bbf7a999fb (このIDを非表示/違反報告)
柏村葬(プロフ) - 狂16ですが、漫画が原作なので漫画を先にした方が良いと思います。漫画とアニメでは全然違いますから。 (2019年2月25日 0時) (レス) id: 67a0056d03 (このIDを非表示/違反報告)
桜匁 - 作品、拝見しましたー! 文章にから場面の様子がしっかりと分かり、素敵な小説だと思います! ヤンデレ中也さん…ですか… なんかいいですね!!← これからもお体に気をつけて更新頑張ってくださいね。応援しています!(*≧∀≦*) (2018年12月8日 20時) (レス) id: 58c26fa576 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花コム( ゚Д゚) | 作成日時:2018年9月10日 12時

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