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針仕事 漆 床に落ちる簪 ページ7

「悲鳴を上げないのか」
「上げた方がよろしいでしょうか?」
「否…」
「早朝に店の奥で悲鳴を上げたところで、外にいらっしゃる方に届くとは思えませんので」
「懸命な判断だな」
「ありがとうございます」

みし、みし、と軋む音は絶えず、絶妙に加減されている。
これは拷問と云う奴でしょうか。

「何を考えている」
「いいえ」
「嘘つくな」

首に、別の【羅生門】が巻きつき始める。

「このまま、私を殺めますか?」
「容易い事だ。抵抗しないのか」
「した方がよろしいでしょうか」

別の【羅生門】が、私の髪を纏めている簪を掠め、音を立てて畳に転がる。
和紙で束ねていたが、一つに纏めていた髪が床を撫でる。

「あ……」
「死に晒せ。仕立て屋」
「無理だな」
「?!」

余程驚いたのか、【羅生門】が緩んだので、隙を突いて簪を逆手に握る。

「チッ朝っぱらから起こすんじゃねぇよポートマフィアの駄犬」
「先刻までのは、僕を欺く演技か」
「真逆。どっちも“俺”だよ」

喉元の柔らかい所を狙い、突こうとすると【羅生門】が邪魔をする。

「【羅生門】――」
「“俺”の店、壊すんじゃねぇよ」
「がッ!?」
「大袈裟な奴だな?ただの当て身だっつの」

あーメンドクセ。ポートマフィアって何処に引き渡せば良いんだっけ。軍警は一瞬で挽肉になるしなー。

「あ゛ーーメンド」

“俺”は芥川の腕を自分の肩に回し、奥の座敷に運んだ。

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アズサ - コメント多くてすみませんじゃ! (2019年10月4日 17時) (レス) id: a3eaf9827b (このIDを非表示/違反報告)
アズサ - 中也呼び (2019年9月5日 9時) (レス) id: cd9a959149 (このIDを非表示/違反報告)
アズサ - 雨ニモマケズ^言^ (2019年9月5日 9時) (レス) id: cd9a959149 (このIDを非表示/違反報告)
アズサ - 龍之介ドS (2019年9月5日 8時) (レス) id: cd9a959149 (このIDを非表示/違反報告)
アズサ - 頑張ってくださいね! (2019年9月5日 8時) (レス) id: cd9a959149 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅鴇ベニトキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2015年9月9日 1時

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