【文豪スレイドッグス】巷で噂の仕立て屋は

針仕事　卅玖　あ、あぁめん ページ39

「貴方は、神の使いですか？」
「……仕立て屋です」


「先ほどはすみません。日本には初めて訪れまして……」
「いえ、驚きましたが……お気になさらないでください」

目の前に座っているのは、ナサニエル･ホーソーン様。ちなみに先ほど知り合ったばかりでございます。

「……お嬢さん、職業は何を？」
「仕立て屋でございます」
「仕立て屋？あぁ、needleworkerですか」
「に、にぃどる？」

英語はさっぱりでございます……に、にぃどるわぁかぁ、でしたっけ……？

「面白い方だ。私が出会ってきた中で群を抜いている」
「あ、ありがとうございます？」
「何故疑問系なのです。褒めてるんですよ」

ほ、褒められてたのですか……

「ナサニエル様は、如何してこちらに？」
「一寸した仕事です」
「お仕事でしたか。失礼ですが、職業は……」
「牧師……と云えばお分かりいただけますか？」
「牧師様でしたか。えぇっと……確か、えいめん、でしたっけ」
「amenです。日本人にはまだ聞きなれない言葉ではありますね」

あぁめん、でしたか……難しいです。

「祈りの後に捧げる言葉ですよ。神に祈りの言葉を述べた後の結びの言葉のようなものです」
「なるほど……素敵ですね」
「素敵……？何故です？」
「わ、私、何か可笑しな事云ってしまいましたでしょうか……!?」
「貴方達は神に祈りを捧げる時に結びの言葉は無いのですか？」
「ど、如何なんでしょう……お願いしますでもありませんし……何々しますように……うぅ〜ん……」

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