【文豪スレイドッグス】巷で噂の仕立て屋は

針仕事　卅参　お断りしましたけど…… ページ33

「やぁAちゃんご無沙汰〜。心中しない？」
「そうさらりとお誘いしたら答えると思いましたか？」

手厳しいなぁと零すのは探偵社の太宰様。この前も心中のお誘いを受けましたが……毎度の事なのでもうあしらいにも慣れてしまいました……

「Aちゃん、最近何か面白いことなかった？」
「と、申されますと？」
「ほら、中也とか」
「中原様ですか？そう云えば最近はいらっしゃってませんね」

シャツはまだ足りているんでしょうか……？

「んもう、Aちゃん、そんな顔で中也の事云われたら嫉妬してしまうじゃないか！」
「へ？何を仰ってるんですか」

お客様ですし、ご贔屓されてるだけですよ〜〜と返すけども太宰様は何やら不満そうです……

「そうだ！Aちゃん、デートしよう！」
「今から仕立ての仕事があるのですが……」
「それはAちゃんの腕前だから一日くらい遅れても大丈夫でしょ？行こう！」
「え、ちょ、ま、ええぇぇぇぇ!?」



「だ、太宰様……この格好は一体？」
「だって、Aちゃん仕事着でしょ？デートに仕事着って味気ないし」
「だ、だからって……!!」

百歩譲ってブラウスは良いんです……す、すかぁとは!!

「Aちゃん真逆……スカート初めて？」
「仕方ないじゃないですか!!仕事の関係で和服が良いんですから!!」
「えぇ……あ、でもAちゃん、ちっちゃい頃は可愛かったんでしょ」
「ど、如何なんでしょう……」
「まぁ、今も可愛いからいいけどね」

腕を取られ、くれぇぷ屋台で太宰様にくれぇぷと云うものを手渡される……何でしょうか、この西洋菓子のような……

「食べないの？」
「ど、どのように食べればよろしいのでしょうか……」
「……Aちゃんって見た目と年齢の割りに年取ってるって云われない？」

針仕事　卅肆　デートside*探偵社→←針仕事　卅弐　話の判る母君side*ポートマフィア

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