針仕事 卅壱 お古side*ポートマフィア ページ31
「A、いるかえ?」
「尾崎様!御久し振りでございます」
奥座敷から顔を覗かせた私のお気に入りでもある仕立て屋のA。まだ若いが腕は一人前じゃ。
その隣には見覚えのある後姿……
「……なんで、貴方が此処に」
「?お知り合いですか?」
「…………従姉」
「そうだったんですか!」
此処は、私も話を合わせるかのぅ。
「鏡花がAの所に居るとはのぅ……あぁ、しかしAは今日も愛いのぅ!」
「ありがとうございます。それで尾崎様、今日はどのような?」
「新しい着物を一着。何か良い柄はあるかえ?」
「はい。少々お待ちください」
Aが席を立ち、店の方に消えたのを見送ってから鏡花と対峙する。私を敵を見るような目で見ているのは少し不快じゃがの。
「……探偵社の毒虫共に連れてこられたか?」
「毒虫じゃない」
「何でも変わらぬ。おぬしに光を見せたことに変わりは無いからの」
「……Aだって、光を見せてくれた」
気付けば、鏡花の着物はいつものものではなかった。第一に、赤くない。
「……Aのお古……Aの匂いがして、落ち着く」
なっ……Aのお古!?
と云う事はアレか?鏡花ほどの年齢のときにAはこの着物を着ていたと!?
※藍色に水面と金魚柄。浴衣っぽい柄だけど着物。可愛い。
「……尾崎様?いかがされましたか?」
「A……鏡花が今着ている着物がおぬしのお古と云うのは……真か?」
「?はい。鏡花お嬢……鏡花ちゃんが以前お着物の修繕をさせて貰いました時も」
その時は山吹の生地に兎の跳ねる柄だったそうな。
「それも……Aのお古かぇ……?」
「?はい。お母様がお父様の意見を無視した結果にございます」
今度Aの母上には礼を云わねばのう!!
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アズサ - コメント多くてすみませんじゃ! (2019年10月4日 17時) (レス) id: a3eaf9827b (このIDを非表示/違反報告)
アズサ - 中也呼び (2019年9月5日 9時) (レス) id: cd9a959149 (このIDを非表示/違反報告)
アズサ - 雨ニモマケズ^言^ (2019年9月5日 9時) (レス) id: cd9a959149 (このIDを非表示/違反報告)
アズサ - 龍之介ドS (2019年9月5日 8時) (レス) id: cd9a959149 (このIDを非表示/違反報告)
アズサ - 頑張ってくださいね! (2019年9月5日 8時) (レス) id: cd9a959149 (このIDを非表示/違反報告)
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