【文豪スレイドッグス】巷で噂の仕立て屋は

針仕事　廿捌　痛い。怖い。 ページ28

頭が痛い……腕が痛い……

「っ!?」

口が動かない。腕も脚も……

「起きたぁ？」
「!?」

何故……床が顔の横にあるのでしょうか……目の前の方は一体……

「さっすが金持ち贔屓の仕立て屋。仕入れてる布は高級なモンばっかだ」
「これ全部いいんすかー？」
「いいよーついでに金庫も見っけてこい！それまでこいつとオシャベリでもしてるからよ」

私……喋れないのですが……

「まったくさぁ、アンタ無防備って云われない？店も開けっ放しだったし、客だと思った？」

店……そうでした……まだ仕事が……

「んっ……んー」
「何？判んないんだけど」

あぁ……先月卸した反物……エリスお嬢様のお気に召した柄なのに……

「これも高そうだねぇぇ？俺達の給料何ヶ月分だろぉねぇ」
「ぅー……」

机の上に品なく座る……まだ私と然程年齢の変わらない青年です……ぐえっ……

「アンタ、此処の店長？俺とあんま変わんないじゃん」
「ぅ……」

痛いです……頭は……踏まないでいただきたいです……

「金庫無かったですよー如何しますー？」
「どーすっかなぁ……コイツ、好きにしてくかぁ。顔は良いしぃ？」

中着のシャツの釦が弾けて転がる。仕事着の着物が大胆に拡げられる。

…………怖い！

「【独歩吟客】！」

……え？

針仕事　廿玖　薄い肩side*探偵社→←針仕事　廿漆　小柄な身体side*ポートマフィア

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