【文豪スレイドッグス】巷で噂の仕立て屋は

針仕事　廿陸　生き残りのside*ポートマフィア ページ26

やぁ、僕は梶井基次郎。ご存知爆弾魔だよ★
今日も実験のためにある場所をたくさんの檸檬爆弾で爆発してきたんだよね。いやぁ、楽しかったよ。

「っいたた……」

……と、生き残りか。ちぇっ。今回もうまくいったと思ったのに。

「君、大丈夫？」

肩を押さえながらに前をふらつきながら歩く着物の女性に声をかける。自分の事だと解らないのか、ふらついたまま遠ざかる。

「キ ミ だ よ！」
「ひゃっ!?っったぁ……」

ありゃりゃ。血が出てる。

「お気遣いありがとうございます……これくらい大丈夫ですので」
「そう云わずにさ。送ってくよ。荷物はこれ？」

食料の入った袋を代わりに持ってあげる。大丈夫です、と突っぱねる彼女の腕を掴み、家は？と問う。

「あぁ、怪しい人には着いていくなって事かな？梶井基次郎。研究者だよ」
「梶井、様？」
「様はいいよ。んで、君は？」
「……玉乃衣と申します。大丈夫のですので、その……手、離していただけますか」
「玉乃衣ちゃんね、よろしくね〜」
「はぁ……」

怪しいものでも見るかのような目で見上げてくる。怖くないんだけどね。

「玉乃衣ちゃん、送ってあげるよ。家は？」
「お気遣いなく……これくらい、大丈夫ですので」

とは云うものの、出血は止まらない。僕より低いし、軽そうだ。

「ちょーっとごめんねー」
「わっ!?」

玉乃衣ちゃんを肩に担ぐ。ホントはおんぶか姫抱きの方がいいかもしれないけど、片手に玉乃衣ちゃんの荷物持ってるからね。ザンネン★

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