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針仕事 拾陸 朝から ページ16

「あ、あの、太宰様?」
「お早うAちゃん。今日も美人だね」
「あ、ありがとうございます?ところで、この状況は……」

まだ開店前で、店の前を掃除していたら、後ろから音も無く太宰様に抱き上げられてしまいました……もう十九ですのに……

「太宰手前ェェェ!!!仕立て屋にまで手ェ出してンじゃねぇぇぇ!!」

真横に跳んできたのは中原様の足技。太宰様に担がれ店から離れる。

「だ、太宰様!?」
「やれやれ。中也までこの店に来てたのかい?」
「?中原様は、お得意様ですが……んむぅ!?」
「ダメだよ、Aちゃん。私と居るのに他の男の名前を出しちゃダメだよ」
「ん、んー?!」

何故太宰様は、私を連れ出したのでしょうか……?

「ぷはっ!」
「おや、なかなか器用だね」
「太宰様?朝から何なのですか?!まだお店も開けてないのに……」
「なぁに、一寸ばかし心中に付き合ってもらおうと思ってね」
「その件なら、以前お断りしたはずにございます」
「いいじゃないか。ねぇ?」

そもそも、私でなくても、太宰様なら美人な方なんて、と言葉を紡ぐ途中で太宰様が微笑む。

「厭だなぁ、Aちゃん、このまま探偵社に入社させようと思ったのに」
「?」
「太宰手前!真逆仕立て屋にまで手ェ出したんじゃねぇだろうな!?」
「やぁ中也。その真逆だと云ったら?」
「中原様?あの、まだ何も」
「あぁ?あ、仕立て屋か……そうか……」



「太宰様、あの、開店時間がありますので……」
「おや、もうそんな時間かい?ちぇー」
「おい太宰!さっさと仕立て屋離しやがれ!」
「太宰様、怒りますよ?」

何故朝からこうしたのかと問うと、太宰様が中原様が私の店に向かうのが見えたのでこの悪戯を思いついたそうな……

「朝から疲れました……中原様?」
「あ、む、無理すんなよ」
「?はい。お気遣いありがとうございます」

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アズサ - コメント多くてすみませんじゃ! (2019年10月4日 17時) (レス) id: a3eaf9827b (このIDを非表示/違反報告)
アズサ - 中也呼び (2019年9月5日 9時) (レス) id: cd9a959149 (このIDを非表示/違反報告)
アズサ - 雨ニモマケズ^言^ (2019年9月5日 9時) (レス) id: cd9a959149 (このIDを非表示/違反報告)
アズサ - 龍之介ドS (2019年9月5日 8時) (レス) id: cd9a959149 (このIDを非表示/違反報告)
アズサ - 頑張ってくださいね! (2019年9月5日 8時) (レス) id: cd9a959149 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅鴇ベニトキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2015年9月9日 1時

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