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針仕事 拾参 四代目と云う ページ13

「四代目」
「あら?福沢様ではありませんか!今日は如何いったご用件で?」
「お前に新人の背広を頼みたいと思ってな」
「それはそれは。ご指名ありがとうございます」

客間に通し、改めて福沢様と新人社員さんに向き直る。灰色がかった髪を片方だけ顎の位置まで伸ばした少年とも呼べそうな方……っと、少年は失礼ですね。

「この仕立て屋の四代目だ」
「初めまして。四代目の玉乃衣と申します。どうぞご贔屓に」
「え?!あ、は、初めまして!中島敦と云います!」
「かしこまらないでくださいませ。我が仕立て屋は見た目ほど、敷居は高くございません。それこそ、ピンからキリ、と申しますか……」
「私の着物は此処で仕立てられたものばかりだ」

先日仕立てた着物を早速お召しになっている福沢様。やはり、福沢様は深い色がお似合いです。

「先代からご贔屓にしていただいております。洋装も取り扱っておりますので、お気軽にお申し付けください」
「へ?洋装って……所謂、僕が今着ているようなものですよね?」
「?はい」

初々しい反応をなさる中島様。和服を着た人間が洋装を仕立てる事は、そんなに珍しいのでしょうか???

「四代目はまだ若いが、充分四代目と呼べる技術を持っている。先代の指導の賜物だな」
「いえ、私なんてまだまだ先代の足元にも及びません」
「謙遜するな」
「私なんて、まだまだです」

両親に追いつきたい一心であるのと、私は、跡取りだから。

針仕事 拾肆 見た目より side*探偵社→←針仕事 拾弐 いくらで side*組合



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アズサ - コメント多くてすみませんじゃ! (2019年10月4日 17時) (レス) id: a3eaf9827b (このIDを非表示/違反報告)
アズサ - 中也呼び (2019年9月5日 9時) (レス) id: cd9a959149 (このIDを非表示/違反報告)
アズサ - 雨ニモマケズ^言^ (2019年9月5日 9時) (レス) id: cd9a959149 (このIDを非表示/違反報告)
アズサ - 龍之介ドS (2019年9月5日 8時) (レス) id: cd9a959149 (このIDを非表示/違反報告)
アズサ - 頑張ってくださいね! (2019年9月5日 8時) (レス) id: cd9a959149 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅鴇ベニトキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2015年9月9日 1時

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