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「どうせ案なんてないんだろうなとは思ってたし、とりあえずお賽銭しにいく?昨日来た時も僕らがお賽銭して鈴鳴らしてから変なのに追いかけ回されたわけだし。」

「ところでさ、昨日追いかけられた時に俺たちの方に来て何かが来るって言ってたけど誰が来てたの?」

丁寧に整えられた石畳の上をコツコツと歩きながら思い出したように尋ねる。あの時、知念が何と言ったのか俺にはよく聞き取れなかった。果たして誰が俺らのことを追いかけ回していたのだろう。

「誰がくるってそりゃ、….しかいないじゃん。 」

ザァーザァーと昔のテレビの砂嵐のような音が知念の言葉を遮った。目を丸くする俺にコテンと首を傾げる知念。その言動により彼は普通に言葉を発していてそれを俺が聞き取れなかったと言うことになる。

「お賽銭、大貴お金持ってる?僕旅館において来ちゃった」

てへっと効果音がつきそうな感じで言い放つ知念。初めから払う気はなかったのだろう。ここでお賽銭をしないわけにもいかないのでオズオズと財布を取り出し10円玉を2枚取り出す。

「え、大貴5円玉ないの?10円だけってダメじゃなかったっけ。」
「残念なことに5円玉ないから俺と知念で同時に10円投げたら20円換算にならないかなって。10円はダメだけど20円ならOKのはず。」
「それ本当に大丈夫?」
「てか俺小銭この二十円しかないから仕方ないだろ!」

準備悪、とか何とか言っているがそんなこと関係ない。本当にこれしか小銭がないのだ。
渋々了承してもらってせーの!!の合図で投げ入れる。

からんころん。
かしゃん。

木製のお賽銭箱に効果が当たる音、その後落ち切る音。どこまでも聞き馴染みのある音。
近くの鈴紐を引っ張り左右に揺らす。

しゃらんしゃらん。

昨日帰りに聞いた音とちょっと違う音が鳴る。確かに一緒なのに不思議だ。あの時の音は風が鳴らしたからこの音と違ったのだろうか。

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作者名:悠璃 | 作成日時:2024年1月21日 12時

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