ちびれんくん8

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紫耀side

「れーん、起きちゃったね〜」


海人と2人、和室に向かって

横になったまま泣いてる廉の傍に座って声を掛ける。


廉「うぅ…いちゃい〜涙」

「お耳さん痛いね〜」


結構痛みが強いみたいで左耳を押さえてる。


「よしよし。おいで」

廉「んっ…」


廉をそっと抱き上げて

背中を優しくトントンして落ち着かせてあげる。


「海人」

海「おけ」


海人の名前を呼んだだけで、何か分かったらしく

おっけ。と返事が返ってきてお薬を持ってきてくれた。


「れーん。お耳さん痛いよね」

廉(コクン)

「だよね。お薬飲んで痛いのナイナイしよ？」


その言葉にすぐには頷かなかった廉。

だけど、数分考えた様子を見せた後


廉「頑張りゅ…」


本日2回目の、頑張る。という決意を

見せてくれた廉。


「ありがとう」

廉「ん…」

「はい、ゆっくりでいいからね」


渡辺先生の配慮で

いつもは錠剤の痛み止めなんだけど

今日のはシロップタイプ。


廉「んっ……にがぁ…涙」

「苦かったね。よく頑張った、頑張った」


シロップを全て飲み切った廉を

海人とめっちゃ褒めまくる。


海「これで、痛いの無くなるからね」

廉「んっ…」


まだ痛み止めが効いてないから

涙がたっぷり目に溜まって

俺の胸に顔をぐりぐりと押し付けてきた。


「よしよし。傍に居るからね」

廉「んんっ…涙」


痛みでもう訳分からなくなってる廉は

機嫌の悪さがMAXな廉。


そんな廉を少しでも落ち着かせてあげたくて

背中を優しく摩りながら、声を掛けてあげる。







＊












＊




暫く声を掛けてあげたり、背中を摩ってる事数十分

漸く痛み止めが効いてきたのか

涙は気付けば引っ込んでて、今度は眠そうな表情に。


廉「んぅ…」

「よしよし、眠くなったね」


廉を抱っこしたまま立ち上がって

ユラユラしたりトントンしてあげると

あっという間に夢の中に落ちてった。




＊








＊



海「寝れたみたいで良かった」

「ほんと。こんな感じじゃ、夜の方が痛みも強く出そうだしね」

海「うん。ほんと。寝れるうちに寝た方が良いよね」


廉が寝て起こさないように

そっと座って布団には寝かせず抱っこしててあげる。


海「でも、渡辺先生っていつも患者さん第一だよね」

「ほんと。どんな時でもどの治療が合ってるのか判断して、しかも治してくれてるんだもんな」


渡辺先生に出会えた患者さんは

絶対幸せだろうなぁ。


っていつもお世話になる度に思う

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