ちびれんくん8

▽ ページ26

紫耀side

「おまたせ。はい、毛布」

廉「あーと」

廉父「巻いてあげるからなぁ」


廉のお父さんに毛布を手渡すと

身体を温めるように巻いてくれた。


寒そうにしてるけど、冷えピタをおでこに貼ってあげて

お水を飲ませてあげると、一連の流れで

怠さに限界が来たのか廉のお父さんの胸に顔を埋めて

後姿でも分かるほど、苦しそうに呼吸をしてる。


急いで、病院に行かなきゃ。

と頭の中でポツリ＿と呟く。


＊




＊



＊



廉以外で朝ごはんを早めに済ませて

廉のご両親に病院に行くことを伝えると

一緒に着いて行ってくと言ってくださった。


「ありがとうございます」

廉母「そんなん当たり前やで。廉の事、早よ楽にしてやりたいから」


きっといつも、廉のお母さんは

不安な気持ちを抱えたまま、本当に幼い廉を抱きかかえて

病院に向かってたんだと思う。


俺らだって廉を病院に連れて行くときは

いつだって不安と恐怖でいっぱいだから。


「ありがとうございます」


それからみんなで車に乗り込んで

廉は廉のお父さんの腕の中でぐったりとしてる。




＊






＊





＊




病院に到着して、受付を済ませて

暫く待ってると割とすぐに呼ばれて

皆で行くと迷惑になると判断し、俺と廉のご両親の3人で診察室に入った。


渡辺「廉くん、こんにちは」

廉「はぁ、はぁ…げほげほっ」

廉母「はじめまして。廉の母です」

廉父「父です」


先生に挨拶をした廉のご両親。

そして渡辺先生も挨拶を返す。


「廉が会いたいって言ってて。それで会えることになって」

渡辺「そうだったんですね。廉くん、すぐに元気にしてまたお父さんたちと遊べるようにしてあげるからね〜」

廉「んっ、げほげほっ、はぁっ…」


先生はいつもと変わらず優しい雰囲気のまま

廉の近くに座って、事前に温めてくれてた聴診器を胸に当てて

心臓の音を聞いてる。


先生に昨日と今朝の廉の状態を伝える。


渡辺「昨日の発作の延長かと。少し強い薬を点滴で入れて様子を診て大丈夫かと思いますよ」

「ほんとですか！？」

渡辺「はい。廉くん、チックンだけ頑張ろうーね」


その言葉に、目に涙をたっぷり溜めながら

頷いた廉の頭をよしよしと撫でてあげる。


白いベットに寝かせるように先生が促したから

廉のお父さんがベットに寝かせてくれて

黒崎先生も何処からか急に現れたもんだから

びっくりして1人飛び跳ねてしまった笑


廉のお父さんに心配かけてしまった笑

▽→←▽

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す