にんむ ページ47
小町side
きょうは、ひとりでおへやで本をよんでいます。
まきちゃんたちはいそがしいみたいです。
わたしはいいこなので、じゃまはしません。
ほんとはあそんでほしいけど、『あそんで』とはいいません。
そうしたらきっときらわれてしまうから。
ここはわたしのおへやみたいだけど、まったくおぼえがありません。
ベッドもカーテンもみおぼえがありません。
でも、てんとうむしの形をした大きなクッションはすきです。
わたしは虫がだいすきなので。
このへやのもちぬしはとてもせんすがいいとおもいます。
あ、わたしか。
今は、虫のずかんを見ています。
しらない虫がたくさんのっていて、とてもたのしいです。
そのときでした。
おへやのとびらがあいて、だれかがはいってきたのです。
くろい服をきた男の人がたくさん。
そのひとたちは、わたしを見つけると、こちらに歩いてきました。
あっというまにかこまれてしまって、わたしはにげたくてもにげられなくなりました。
こわいです。
まきちゃん。
『……あ、』
「小町Aですね。我々は呪術界上層部の方々からの指示で参りました。貴方に任務の依頼が入っています。我々に同行してください。」
『…え、と、あの、わたし』
きょうふで、うまくこえがでませんでした。
この人たちの言っていることはむずかしくてよくわからないけれど、なにかわたしにしてほしいことがあるみたいです。
「外に車を待たせてあります。どうぞこちらへ」
あしがすくんでうごけない。
男の人たちはそんなことはおかまいなしに、わたしのうでをつかんで、歩かせた。
『…あっあの、はな、して、ください、わたし』
「…記憶なくなったんだって?全く、渋谷事変後でクソ忙しいってのに、アンタは気楽でいいなぁ。俺らは呪術師でもないのに、命張ってんだぜ?わかるか?ただでさえ人手不足なんだ、記憶がないから戦えません、とか言うなよ。一級なら一級らしく記憶なくても任務こなせ。」
何を言っているのかわからなかったけど、怒られているのはわかりました。
あっという間に外に連れ出されて、くろい車におしこまれます。
それから男の人がうすくてくろい板をなげてきました。
「それに今回の任務内容が記されてあります。……この任務でアンタが役に立つかどうかが判断されます。役に立たないと判断された場合は、殺すよう言われてるんで。まぁ、せいぜい頑張ってくださいよ」
車はしずかに動き出した。
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シシマチ(プロフ) - さざんかさん» コメントありがとうございます。楽しんで読んでくださって、とてもうれしいです。更新頑張ります! (2021年6月14日 21時) (レス) id: 6141eb3956 (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - わー!!気になるところで止まってらっしゃる;;更新お疲れ様です!めちゃ楽しませてもらってます!!続きも楽しみにしています! (2021年6月14日 1時) (レス) id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
シシマチ(プロフ) - 43yomi1さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しい限りです。更新頑張ります! (2021年6月11日 17時) (レス) id: 6141eb3956 (このIDを非表示/違反報告)
43yomi1(プロフ) - 初めまして!シシマチ様の小説とっても素敵で、思わず惹き込まれてしまいました…!更新楽しみにしてます…!!!!! (2021年6月10日 15時) (レス) id: d2940ba0c0 (このIDを非表示/違反報告)
シシマチ(プロフ) - 小手鞠さん» コメントありがとうございます!更新頑張りますね(^^) (2021年6月10日 0時) (レス) id: 5733ebb1d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シシマチ | 作成日時:2021年6月3日 21時