01ｰ彼の居ないポートマフィア ページ2
.
「よォ、A」
「……中也」
彼が居なくなって、暫くが経った或る日。
浮かない表情だったのか、後ろから中也の声と共に額にデコピンが降って来た。
「痛っ…！ な、何…」
「ンな顔してんじゃねェよ」
「……だって」
そう云いかけて俯くと、中也の小さな溜息が聞こえた。
すると、頭に彼の掌が乗せられた。
「……糞太宰の事だろ」
その手はゆっくりと、私の頭を往復する。
「＿＿＿好きだ、A」
私は目を見開く。
え、と無意識に言葉が漏れる。
「彼奴の事は忘れろ。手前は俺だけを見ていれば良い」
真っ直ぐで、嘘偽りの無いその言葉は、彼の匂いに包まれた時に漸く理解する事ができた。
涙が溢れて、嗚咽も漏れてしまう。
「っ、ぅ……っちゅう、や」
「ん」
気付けば彼の肩に顔を埋め、背中にも手を回していた。
太宰幹部の前ではぐっと我慢した涙が、悲しみが、全て溢れた。
中也は何も云わなかった。ずっと背中を摩ってくれた。
その日は、彼の告白と優しさに少し甘えていた。
＊＊＊
＿＿＿＿中也は私が好きで、私は太宰幹部が好きで。
太宰幹部は＿＿＿＿私の事、如何思っているのかすら判らなくなってしまった。
彼の人は、今何処で何をしているのだろう。
矢っ張り、私なんて…
「……非道いです、太宰幹部」
もう居ない彼の執務室の扉の前。
ノックをしても返事のないその部屋の前で、静かに一筋の涙を流した。
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (3月14日 22時) (
レス) id: 6e53b86b4a (このIDを非表示/違反報告)
にじいろ - ゆゆさん» 暖かいお言葉ありがとうございます！ これからも中也にドキドキさせられちゃってください🥰💕← 頑張ります💪 (1月13日 16時) (レス) id: 14d2d1687b (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - いつもキュンキュンさせてもらってます！！これからも投稿頑張ってたください！待ってます。 (1月13日 12時) (レス) @page10 id: 21257c4f5e (このIDを非表示/違反報告)
にじいろ - はるぽてさん» ありがとうございます……！！ キュンキュンドキドキできる作品にしたかったので、そう言っていただけてすごく嬉しいです！ 頑張ります💪🔥 (1月5日 6時) (レス) id: 14d2d1687b (このIDを非表示/違反報告)
はるぽて - ほんとにキュンキュンします、、。太宰さんの方も見てて、、。すごく上手で尊敬します！これからもがんばってください！ (1月5日 0時) (レス) @page9 id: 433c203d88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菜花ゆうら | 作成日時：2023年12月7日 22時
