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兄さんは、神代先輩と同じく中３だった。
素っ気なくて、でも優しくて相談には乗ってくれた。
私に起きている状況には気付いていたと思う。
湊『…Aさ、俺が言うのもなんだけど無理すんなよ』
『無理？ いや別に、無理なんてしてないよ。 私はいつも元気です』
そうやって笑ったら兄さんは不機嫌な顔をして顔を逸らした。
兄さんの思考はいつも分からない。
いや、思考が分かったら怖いけど考えてる事が読めないというか。
いつも怒ってるし、兄のくせに何もしてくれない。
でもその時は、その時だけは悲しそうな表情を浮かべていた。
そんな事言わないのに、その日だけ心配そうに言ったのだ。
『…何？ 言いたい事あるなら言えば良いのに』
湊『うっせぇな、お前は俺の何だよ…あのな、』
居た場所は皆が居たリビング。
兄さんは私の腕を引っ張って、私の部屋に入った。
勝手に入るのはどうかと思うけど、反論しようとして、
やめた。
兄さんの目が、今まで見た事無いくらいに真剣だった。
珍しく私の手を握って、静かな口調で口を開いた。
湊『Aの事情なんて知ってる』
『事情って何…』
湊『いじめられてんだろお前、帰りにいっつも見るわそんなん』
『…そっか、知ってたんだ…そうなんだ』
急に怒りが溢れて、私は兄さんに向かって怒鳴った。
無意識だったから、私も混乱していたと思う。
『じゃあ…じゃあ何で助けてくれないの！？
兄さんは見てるだけなの！？ だったら声掛けるとかしてよ！』
湊『…そうだよ、それを、ずっと言いたかった』
顔を上げた。
兄さんの声が震えている事に気付いた。
初めて、いつも何を考えてるのか分からない兄さんの、
涙を見た。
湊『今更言っても駄目だけど謝らせろ…っ、悪かった…！』
『わた、私、そんな、つもりじゃ……』
湊『お前のせいじゃない、から！』
目の前で泣く兄さんを見て覚悟した。
私はもう誰にも心配を掛けさせちゃいけない。
私は、絶対取り戻すんだ。
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…それなのに、助けに来たこの２人が、
憎くて、大嫌いで、鬱陶しいけど…それでも、
大好きだ。
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ありがとうございます！
夢月穂花様、レイ様、コメントありがとうございました！
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ramune(プロフ) - 空無さん» こちらこそ感謝です！ (8月18日 8時) (
レス) id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)
空無(プロフ) - 続編感謝です！ (8月18日 8時) (レス) id: ce1eb79c94 (このIDを非表示/違反報告)
ramune(プロフ) - 廻慧さん» ありがとうございます〜！！！同じ受験生でしたか！！ほんと勉強しなさ過ぎて私はやばいです……笑 心強いです、一緒に頑張りましょう！！ (8月18日 8時) (レス) id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)
廻慧 - 続編おめでとうございます！私も受験生なのでお互いに頑張りましょう！ (8月18日 8時) (レス) @page46 id: 6c38b128dd (このIDを非表示/違反報告)
ramune(プロフ) - さふゆわさん» さゆふわ様〜！ありがとうございます〜！！続編今日作りますね！！！お楽しみに！ (8月18日 7時) (レス) id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ramune | 作成日時：2022年7月17日 21時
