夜明けの空に。2 (ページ31)

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終いには、

「つか、お前さっきAと何話してた？」

なんて、話をそらしてきやがった。

腹立つ〜…

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「はぁ…何って…Aちゃんが、

医者になるきっかけ？とかですけど。」

成瀬「…で、なんて言ってたんだよ？」

食いつくように聞いてきた先輩に不思議に思いながらも

彼女のおばあさんのことを話すと、

「そうか…、」

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と、わざわざ聞いてきた割には薄い反応で頷いた。

「…珍しいですね、先輩が誰かに興味を持つなんて。」

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先輩はこの質問には答えずに、

何か考えごとをしてるような上の空な様子で

走り出して行った。

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sideなし

成瀬がジョギングをしていると、

海際のベンチに座っているAの姿が見えた。

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成瀬は彼女に近づき、少し離れたベンチに腰掛ける。

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『あっ、成瀬先生〜！』

Aは成瀬に気づくと屈託のないいつもの笑顔で彼を見る。

成瀬「…なんだ。」

『なんだって成瀬先生から来たんじゃないですかっ！』

成瀬「…黄昏てんのか？」

『まあ、…海見ると色々思い出すことがありましてっ。』

成瀬「…島のばあちゃんのために医者になったんだってな。」

『…あっ。』

成瀬「…悪い、結構長話してたから

気になって朝倉に聞いた。」

『ああ〜、いいんですよ全然。

でも珍しいですね、成瀬先生がそんなに気にしてくれるのっ！』

朝倉と同じことを言っているAの姿に少し口元が緩む成瀬。

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成瀬「…それは…、急に医大を首席で卒業した鬼才が

同じ職場に来たら、気にもなるだろ。」

『…鬼才って。

でも怪しい人物ではないんでーっ！』

Aは楽しそうにニコニコとしている。

成瀬「…生まれも島なのか？」

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その言葉に、Aの表情は若干曇ってしまった。