真紅の暴君 ページ25
エース「よし……。あの〜、寮長」
リドル「キミは……ああ、タルト泥棒の一年生か」
エース「えーっと、タルトを食べちゃったことを謝りたいと思って。新しくタルトを焼いてきたんですけど」
リドル「ふぅん? 一応聞くけど、何のタルトを?」
エース「よくぞ聞いてくれました…!旬の栗をたっぷり使ったマロンタルトです!」
マロンタルトの甘い香りが鼻を擽る。
秋に感じた栗の匂いを思い出して、少しだけ悲しくなった。
「マロンタルトだって!? 信じられない!」
でも、リドル先輩のお眼鏡には叶わなかったらしい。
リドル「ハートの女王の法律・第562条、『なんでもない日のティーパーティにマロンタルトを持ち込むべからず』……これは重大な法律違反だ! 何てことをしてくれたんだい!?」
『第562条…』
「全部で何条まであるんですか!?」
リドル「全810条、ボクは全て頭に入ってるよ。寮長なんだから当然だろう」
覚えようと思えば覚えられるかな…なんて思いながら、リドル先輩に視線をつける。
顔が少し赤く染まって、怒っているのが分かった。
何だか、嫌な予感がする。
リドル「ハートの女王の厳格さを重んじるハーツラビュル寮長であるボクが、この違反に目を瞑ることは出来ない。マロンタルトはすぐに破棄しろ! それから、こいつらを寮外へ摘み出せ!」
「ちょっと待てよ! そんな無茶苦茶なルールがあるか!」
グリム「そうだゾ! 捨てるんだったらオレ様が食う!」
「寮長、申し訳ありません。マロンタルトを作ろうと言ったのは俺です」
「そうそう。まさかそんな決まりがあるなんて全然思ってなくて」
「作ったことが問題なんじゃない。今日! 今、此処に! 持ち込んだこと"だけ"が問題なんだ!」
ユウ「さっきから聞いてればそんな可笑しなルールに従って…馬鹿みたいだよ。」
『ちょ、ユウくんそれは言ったら…!』
「馬鹿……だって?」
「ボクが寮長になって一年。ハーツラビュル寮からは一人の留年者、退学者も出していない。これは全寮内でハーツラビュルだけだ。この寮の中でボクが一番成績が優秀で、一番強い」
「だから、ボクが一番正しい! 口答えせず、ボクに従っていれば問題ないんだ!」
バラの迷路に植えられていた筈の薔薇の木が宙へと浮き上がり、一点に向けて一気に突っ込んでいった。
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ユノア - すいませんが,23ページのフロイドのクリオネなんですけど、、、オルトくんのあだ名ですよ(本当にすいません) (2022年8月16日 18時) (レス) @page23 id: 06fe53ef45 (このIDを非表示/違反報告)
虎ツイステ虎 - リクですが主が病弱で弱ってしまった時のみんなのシーンかけますか? (2021年9月14日 15時) (レス) id: 1b00569172 (このIDを非表示/違反報告)
朱華(プロフ) - めっちゃ好きな展開で最高でした!!ぜひ続きをお願いします!! (2020年12月28日 13時) (レス) id: abc2267336 (このIDを非表示/違反報告)
でゅの嫁 - 今更リクエストいいですか?デュースくんと事故ちゅーからのいちゃいちゃください… (2020年12月16日 11時) (レス) id: 1cb0b576c2 (このIDを非表示/違反報告)
re:アガサ・クリスティ(プロフ) - ネッルさん» マジですかwww (2020年11月17日 22時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
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