Another Story 1.5 ページ39
ただ触れるだけのキス。
すぐに唇を離すと、Aは照れるように下を向いた。
それが愛おしくて、俺はまたAに口付ける。
さっきとは違って、深く唇を重ねれば、Aは遠慮がちに俺の服を握ってキスについてきた。
…生きてきた中で一番幸せかもしれない。
父親の暴力から逃げる日々、学校の奴らはほとんど信用できない。
神様から見捨てられたって思っていたけど、そうじゃなかったみたいだ。
「…俺、期待していい…？」
「…。」
Aにそう聞けば、何やら複雑そうな顔をする。
視線を下に落とすと、Aは口を開いた。
「…
ドンヒョクは、いつも私のこと助けてくれるよね。
困ったとき、気づくとドンヒョクが側にいるの。」
そう言って、Aは小さな笑みを浮かべる。
…Aだってそうだよ。
俺が辛いとき、いつも側にいてくれる。
「…ジェノのことは、ちゃんと好きだった。
ジェノは嫉妬深いけど、優しくて、一緒にいると幸せになれるの。」
「…っ、」
Aの口からイジェノの話がされると、俺の心はざわざわと騒ぎ出す。
本当、バカみたいに嫉妬してる。
不安になってAから目を逸らした。
「…だけどね、心のどこかではいつもドンヒョクのこと考えてた。
毎日来る連絡をずっと待ってる私がいた。」
「…。」
「…さっき、ジェノのあの話聞いて、凄く怖くなったの。
あのままドンヒョクが私を信じてくれなかったら、ドンヒョクとは今までみたいに出来なかったんだって。」
Aの方を見ると、ちょうど目が合う。
瞳に吸い込まれるように、お互い見つめ合った。
「…
私もドンヒョクのこと、好き…。」
「っ、A…。」
幸せすぎて、おかしくなりそうだ。
好きな人と結ばれることがこんなに嬉しいことだなんて知らなかった。
「A。」
「…ん？」
「…イジェノとちゃんと話そう。
それで全部解決したら、付き合おう。」
俺の言葉にAは頷く。
そんなAを俺はギュッと抱き締めた。
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ナギ(プロフ) - とても面白かったです！でも恐いです笑ロンジュンが一番気の毒ですね……新しい作品もお待ちしております。 (2023年3月29日 16時) (
レス) @page50 id: b8f2817426 (このIDを非表示/違反報告)
XLR7CMroSzOYUFU(プロフ) - 最高でしたありがとうございました (2022年8月3日 16時) (レス) @page50 id: 58b6c00705 (このIDを非表示/違反報告)
saki(プロフ) - 完結おめでとうございます！本当に面白い作品に出会えて嬉しい限りです！ケーキのくだり、めっちゃ鳥肌たちました… (2022年6月24日 17時) (レス) @page50 id: 00b56992b8 (このIDを非表示/違反報告)
alone99(プロフ) - いや、最後鳥肌…完結おめでとうございます！ (2022年6月24日 14時) (レス) @page50 id: 7bd05b70b6 (このIDを非表示/違反報告)
hana(プロフ) - 完結おめでとうございます！いやか､最後の最後まで…まさか過ぎました…！！とても素敵なお話でした！ (2022年6月23日 21時) (レス) @page50 id: 7509578280 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：世莉 | 作成日時：2022年4月1日 22時
