Another Story 1.6 ページ40
2人で手を繋いで、Aの家に向かう。
イジェノのことが気がかりなのか、Aは凄く不安そうだ。
「…何があっても俺が側にいるから心配すんな。」
「…ありがとう。」
Aさえ側にいれば怖くない。
それぐらい、俺にとってAはなくてはならない存在だ。
「…あっ…。」
Aの家の近くに来ると、誰かが立っているのが見えた。
その人は、俺達に気づくと、走ってこっちに向かってくる。
「っ、その手離せっ…！」
Aの腕を引いて、無理矢理繋いだ手を離すイジェノ。
かなり怒っているみたいだ。
「お前俺の彼女に何してんだよっ…！！」
怒りで力が入ったのか、腕を掴まれてるAは痛そうに顔を歪める。
…彼女なら、普通こんなに怯えないだろ。
「…彼女って…
お前が一方的に好きなだけじゃん。」
「…はぁ…？
お前何言ってんの…？」
俺をバカにするような言い方で聞いてくるイジェノ。
ふざけたこと言ってるのは、お前だよ。
「…
お前がAのこと縛り付けてるだけで別にAはお前のこと好きじゃねぇって言ってんだよ…！」
俺がそう言うと、イジェノの顔は徐々に歪む。
だけどその後、フッと笑みを浮かべた。
「…A、さっき僕のこと愛してるって言ったよね？」
「っ…。」
「言ったよね！？」
イジェノの問いには答えずに、俯くA。
まさかそんな態度をとられると思っていなかったのか、イジェノは目を見開いた。
「…ごめんなさい、ジェノ。」
Aは小さくそう呟いた。
そして、力が抜けたイジェノの手を振り払う。
「…最っ低…。
っ、僕の気持ち弄んだわけ…？」
「っ…。」
「…
”お前”のこと、絶対許さないから。」
イジェノはそう言うと、俺達のことを睨み付けて、ここから去っていった。
Another Story 1.7→←Another Story 1.5
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1362人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナギ(プロフ) - とても面白かったです！でも恐いです笑ロンジュンが一番気の毒ですね……新しい作品もお待ちしております。 (2023年3月29日 16時) (
レス) @page50 id: b8f2817426 (このIDを非表示/違反報告)
XLR7CMroSzOYUFU(プロフ) - 最高でしたありがとうございました (2022年8月3日 16時) (レス) @page50 id: 58b6c00705 (このIDを非表示/違反報告)
saki(プロフ) - 完結おめでとうございます！本当に面白い作品に出会えて嬉しい限りです！ケーキのくだり、めっちゃ鳥肌たちました… (2022年6月24日 17時) (レス) @page50 id: 00b56992b8 (このIDを非表示/違反報告)
alone99(プロフ) - いや、最後鳥肌…完結おめでとうございます！ (2022年6月24日 14時) (レス) @page50 id: 7bd05b70b6 (このIDを非表示/違反報告)
hana(プロフ) - 完結おめでとうございます！いやか､最後の最後まで…まさか過ぎました…！！とても素敵なお話でした！ (2022年6月23日 21時) (レス) @page50 id: 7509578280 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：世莉 | 作成日時：2022年4月1日 22時
