・ ページ45
.
LC side
胸の中で火花が散った
名前も知らないのに
何者かも知らないのに
一瞬で心が叫んだ
彼女が欲しい、と。
兄貴分たちに連れてこられた店は、一晩で恐ろしい程の値段がする女性たちを揃えたクラブ
エレベーターを降り、俺たちを迎えた十数名の中でもひときわ輝いていたんだ
…思わず、口に溢れていた。
美しい、だなんて。
仕事柄、誰かに心を開くことも、思いの丈を曝け出すことも無い。
まして女性は、人生を豊かにする一つの選択肢に過ぎない。そうとしか捉えていなかった。
もちろん本気で恋をすることなんて無かった。
女性はみんな俺を追いかけてくる。
俺に興味の無いふりをしてる女性も、結局は俺の仕掛けに負けて連絡を寄越すんだ。
だから何も不自由なんてしていなかった。
…俺がこんな温度の情熱に駆られることがあるなんて、知らなかった。
しかもその対象が、金や宿敵ではない。
とびきり美しい女性。
俺はどうかしてしまったようだった。
HD「そんなにいい女の人だったの？体も？顔も？」
LC「…もちろん良かった、だけどそれだけじゃないんだよ。性格とか、振る舞いとか、何もかも…突き刺さったんだ」
同僚のヘンドリーは、俺と肩を並べながら不思議そうにそう言った。
俺が女性で揺らぐような男じゃないことを知っているからだろう。
コンクリートのひんやりとした感触が、生々しく背中に伝わる。
まるで“現実を見ろ”と誰かが俺に問いかけているようだった。
HD「…ここに来た理由、忘れるなよ」
LC「分かってる。…ヘンドリーまでそんなこと言わないでくれ」
HD「ルーカスが分かってるならいいんだ」
LC「うん。……そろそろ、時間だ」
そうだ。
いくら限られた夜の空間で彼女を掌握したとしても、俺の目的は彼女を手に入れることではない。
まして、彼女を俺の事情に巻き込むわけにも、勘づかれるわけにもいかない。
俺はリボルバーに弾が入っていることを確認すると、スーツの懐にそっとそれを隠して振り向いた。
…今晩は長くなりそうだな。
LC「ウィンウィンヒョン、行こう」
…To be continued.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 957人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「NCT」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らーみょん - ログインしないでも見れるってありますか？ (2021年9月20日 23時) (
レス) id: bc990f52e8 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - WayV沼子さん» コメントありがとうございます！他の作品も読んで頂いてるんですね…!!かなり毛色の違う作品ですがどちらも応援してくださって大号泣です（ ; ; ）ありがとうございます!! ルーカスはかなり主軸の登場人物となるので、今後もご期待ください(^^)♡ (2021年9月20日 19時) (レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
WayV沼子 - 表現力、設定、どれも素敵な小説だと思っていたら、大好きな作者さんだったなんて…！感激です。これからも応援しています。大好きなルーカス出してくださりありがとうございます(涙) (2021年9月18日 1時) (レス) id: 2887d301bf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れいら
| 作成日時：2021年9月14日 23時
