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TY side
「ねえ。中国のこと…詳しいの？」
TY「…」
「…誤魔化さないで。しっかり聞こえたよ」
TY「……顧客に中国の団体がいるだけで、そこまで詳しいわけじゃない」
「…でも、そういう団体とは関わりがあるってことだよね」
TY「…」
「テヨンア、私ね。…人のこと探してるの。中国人なんだけど」
TY「…人？」
「戸籍上は私のお兄さん。でも4年前に失踪したの。…きっと今は中国にいると思う」
TY「…」
いきなり何を言い出したのか。
夜の蝶は一瞬にして、純真無垢な少女に化けたようだった。
厚化粧をした横顔が、不意にあどけなく見える。
憂いを帯びた眼差しは、切なく誰かを呼ぶ。
おかしい。
言葉や志はどこか一貫してるようで、芯の強さを感じさせるのに
こんなに強く、華やかで、艶やかで
それなのに
俺と同じ孤独の匂いを感じる。
さっきから、万華鏡のように姿を変えるんだ。
俺の胸の中の何かが、強く彼女へ引き寄せられていく。
「色々、自分で情報集めてるの。…ねえ、」
TY「…協力しろ、って言うの」
「…うん」
TY「…俺、殺し屋だよ」
「……え？」
TY「本当だよ。…関わったら、ろくなことないよ」
「…」
脅しで言ってるわけじゃない。
…だって、本当にろくなことが起きないから。
俺は、本当はこんな風に街の真ん中で話すことも本当は憚られるようなやつなんだ。
いつどこで俺が狙われているかも分からない。
俺と一緒に居るだけで、世界の全てが敵になるんだよ。
家族も知り合いも居ない、
無駄なプライドなんて無いし、口出しもしない。
そんな俺は上司からいいように使われて散々な仕事をやらされてる。もう、いつどこで何人の命をこの手で握り潰してきたか、覚えていない。
だから誰も俺に近寄らない。
関わろうと思わない。
冷たい目で俺を見る。
汚いものだと俺を扱う。
それに慣れていた。
…彼女は、違った。
「私ね、職業に偏見持たないっていうポリシーなの」
TY「…は？」
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らーみょん - ログインしないでも見れるってありますか？ (2021年9月20日 23時) (
レス) id: bc990f52e8 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - WayV沼子さん» コメントありがとうございます！他の作品も読んで頂いてるんですね…!!かなり毛色の違う作品ですがどちらも応援してくださって大号泣です（ ; ; ）ありがとうございます!! ルーカスはかなり主軸の登場人物となるので、今後もご期待ください(^^)♡ (2021年9月20日 19時) (レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
WayV沼子 - 表現力、設定、どれも素敵な小説だと思っていたら、大好きな作者さんだったなんて…！感激です。これからも応援しています。大好きなルーカス出してくださりありがとうございます(涙) (2021年9月18日 1時) (レス) id: 2887d301bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2021年9月14日 23時
