護衛14 ページ21
『立原くん、ちょっとおいで』
僕はニコニコしながら立原にそう言った。
「なんや立原くん、マネージャーさんと知り合いなん?」
立原の隣にいる理石が立原にコソコソと質問をした。
「おぉ、ま、まぁな。んじゃ俺行ってくるわ」
そう答えた立原が青ざめた顔をしていたのはきっと幻覚だろう。うん。きっとそうだ。
「で、なんの用ですか金柑さん」
『何度も言うが僕は金柑じゃないんだよ』
「知ってます」
『はぁ、まぁいいや。本題に入ろう。
最近の事なんだがバレー部員の登下校の道を中心的に不審者のような輩の目撃情報が多くなってる、僕は今ホテル住まいだから登下校見張っておきたいんだけど......』
「宮侑に嫌われているから無理だ、と」
『そ!過去に居たマネージャーがみーんな顔面目当てだったらしくてね〜、自分の好みだった花夏は置いておきたかったらしいけど』
僕がそう言うと立原は驚いたようにこう言った。
「花夏ッて...ポートマフィア傘下の鯨宮会社の一人娘じゃないッスか!なんでこんな所に.....ってか知り合いなんですか?」
『ありゃそうなの?まぁ、知り合いっちゃ知り合いだね。ほら、僕って柑崎グループの長女だったじゃん?小さい時に1回会ったんだよね〜』
「(...柑崎家の落ちこぼれ。長女、柑崎A。最近ポートマフィアの傘下の会社になった大型会社。2つ下の弟が1人。優等生の弟と劣等生の姉........)
そーゆーことっすか」
『うん、そーゆーことだよ。んじゃ行っておいで。僕は仕事して来るからさ〜』
――――――――――
立原視点
歴代最速で幹部になった柑崎家の落ちこぼれ。柑崎A。
俺の正体に気づいていながらもボスには報告しなかった。
俺には何故落ちこぼれなのかは分からない。
だが、人としてのナニカは欠落していると思う。
”うぉい立原ァ〜この時限爆弾どう使えばいいと思う〜?“
とか、よく女性を騙して飯を奢ってもらっているし。
“ん?あぁ、それ嘘だよ。僕が流した大嘘。少し考えたら分かると思うんだけどなぁ〜。.....乱歩さんも騙されてたし...あ、もしかして僕のお遊びに付き合ってくれてたのかな!?やっぱいい人だね!あの人!!”
そしてなによりだがあの人の嘘には胡散臭さがない。
いつも事があった後に嘘だと気がつくのだ。
何故だろうか。
全て、いつもいつもあの人の思惑通りに皆動く。
条野さんも、輝子さんも。
運が良いだけなのか、それとも.......
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レナ - 続き楽しみにしています! (3月16日 1時) (レス) @page22 id: f54b64da71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねこぼん | 作成日時:2023年7月5日 3時